時計、宝石、貴金属、ギフトなど各種物品販売の「瑞宝舎」(札幌市北区北10条西3丁目)の建物がいよいよ解体される。18年12月30日に閉店して以降、ひと気のなくなった建物棟2棟は寒々とした姿を晒していたが、ようやく次に向けた動きが始まる。(写真は、解体工事が始まった瑞宝舎の建物)

 瑞宝舎(ずいほうしゃ)のビルは、1984年に竣工した南側の5階建て財貨事業部ビルと、94年に竣工した北側の6階建て贈貨事業部ビルの2棟からなる。もともとは宝石、貴金属、時計、眼鏡から創業したが、その後は「文房具・事務用品」、「カメラ」、「バッグ」、「紳士・婦人服」、「家電」、「つり具」、「アウトドア用品」、「ペット用品」、「季節用品」、「ギフト食品」、「生鮮食品」、「ガーデニング」、「美術工芸品」、「ギフト小物」、「仏具・線香」、「タオル製品」、「ギフト金物・ギフト洗剤」、「トロフィー・スポーツ用品・パークゴルフ用品」などを取り扱うようになった。一見、脈絡のないような商品群と圧縮陳列さながらの売り場が、限りなく“昭和感”を醸し出しており、コアなファンに支えられていた。
 
 しかし、創業60年を迎えた昨年、後継者がいないことや消費環境の変化で事業性を見通せないことなどから事業閉鎖を決め、土地建物を京阪電鉄不動産(本社・大阪市中央区)に売却、12月30日をもって営業を終了した。
 解体工事は、シンヨウ(札幌市厚別区)とワイ・エス・ジー(同市白石区)が担う。工期は2019年10月末まで。商業ビルらしからぬ外観で地域の賑わいを創ってきた「瑞宝舎」、晩秋には更地になり、その土地にはやがて新しい役割が課せられる。


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