万世閣×サイトシーテック×インフォマート、「DX化が導くホテル・旅館業の未来」

ピックアップ・リアル

(写真は、インフォマート・中島健社長)

 ーー北海道の飲食業、ホテル・旅館業で導入していない方々に向けたメッセージを。

 中島 効果があるかどうかは考えずに、小さく始めることが良いと思います。そうすると、始める前には気付かなかったいろいろな学びも出てきます。システム化と聞くと、旧来は、多額の設備投資が必要になるのでは、と心配する経営者も多いと思いますが、今の時代はクラウドなので、導入時のコストは、ほとんどかかりません。

 将豊 紙ベースで仕事が回っていると、不合理なことがあると思った方が良いでしょう。「紙があったら疑え」ということが、あらゆる企業に通じる生産性向上のカギになると思います。

 清正 まず使ってみようということが大事です。今、当社にインフォマートがなかったらと思うと、ぞっとします。旅行会社との受発注は、FAXでのやり取りが以前はありましたが、非常に手間がかかっていました。それがなくなっただけでも、作業効率が、格段に上がりました。冒頭に、「番長」と言いましたが、インフォマートというソフトに対する「番長」のような人物が、社内に現れてくるとありがたいと思っています。

 中島 当社がやりたいことは、業務の標準化です。でも、業務の標準化は、難しい問題です。皆さんは、同じやり方ではなく、自分専用のやり方で業務をしたいからです。無理やり同じやり方でお願いしても、たいていの方は嫌がります。当社は、そうした嫌がっている人たちの文化を変えたい。それが『2025年の崖』から救うことになるからです。
 
 日本のシステムは、スクラッチ開発(既存のパッケージソフトウェアなどを利用せず、ゼロからオリジナルのシステムを開発する手法)が主流でした。そのため、一つの会社に一つのシステムが出来上がってしまい、ベンダーロックと言われる状態を招いています。

 これを脱却するためには、皆で同じシステムを使うクラウドの考え方を取り入れるべきです。クラウドシステムは、自社専用の100点満点のシステムではなく、80点のシステムです。80点で我慢する代わりに、費用は、1000分の1になりますから、クラウドシステムの方が良いに決まっています。業務をシステムに合わせるという考えを、日本が導入できるかが、ベンダーロックされたシステムを脱却する唯一の方策です。そして、その文化をつくろうとしているのが当社です。

 飲食業界では、ある程度の業務標準化ができていますが、ホテル・旅館業界は、まだできていません。当社のお客さまは、全国平均で1割がホテル・旅館業界、9割が飲食業界です。ところが、北海道は、4割がホテル・旅館業界で、6割が飲食業界なので、ホテル・旅館業界の標準化を北海道から始めようと、私たちは考えています。
 そのための最初のパートナーとして、サイトシーテックさんを交えて、万世閣さんと一緒に進めていこうとしています。3者でつくりあげる標準化を、他のホテル旅館にも紹介していきたい。それが、北海道のホテル・旅館業をスピーディーに発展させていくことにつながると、確信しています。(終わり)

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