網走ビール醸造所併設「NEIGHBOUR Roast&Brew」、タカハシ髙橋洋一社長「隣人と繋がることができる場に」

経済総合

 オホーツクブルーのクラフトビール、「網走ビール」のマイクロブルワリー(ミニ醸造所)を併設したカフェ「NEIGHBOUR Roast&Brew(ネイバー・ロースト&ブリュー)」が、札幌市中央区のANAクラウンプラザホテル札幌1階に誕生して2ヵ月、ここでしか飲めないクラフトビールの生産も始まり、クラフトビールファンのみならず多くの来店客で賑わっている。
(写真は、店舗のバックヤードにある醸造タンクを紹介するタカハシ・髙橋洋一社長)

 この店舗を運営しているのは、「カラオケ歌屋」で知られるタカハシ(網走本社・網走市、札幌本社・札幌市西区)。タカハシグループには、「網走ビール」を生産している網走ビール(本社・網走市)があり、網走市内にはこのビールを飲むことができるグループ直営の焼肉店や寿司店もある。「NEIGHBOUR Roast&Brew」は、グループ初の札幌での直営飲食店舗で、網走ビールのミニ醸造拠点という役割も持つ。

 コロナ禍で、カラオケは逆風を受けた。休業や時短営業を余儀なくされ厳しい環境に置かれた。「乗り越えられたのは、多くの人の協力があったから。縁の大切さをこの時ほど強く感じたことはありません」と髙橋洋一社長(43)。実は、この「NEIGHBOUR Roast&Brew」も縁によって生まれた店舗だ。「場所もコンセプトも、ロゴを含めた店内の空間演出も、人の繋がりの中から生まれました。私一人の力ではなく、知人や仲間との縁があったからこそ、モノだけでなくコトを提供する空間を創造することができました」と髙橋社長。

 店のバックヤードには、250ℓのビール醸造タンクが4基、所狭しと並ぶ。ここでは、さまざまなクラフトビールを作ることができ、この店舗でしか飲めないオリジナルビール3種類を生産している。全国各地から集めた個性豊かなロースター(焙煎)の豆を利用したハンドドリップのオリジナルコーヒー、道産食材を使ったつまみやパスタ、デザートも楽しめる。

 視覚で楽しめる設えにも工夫を凝らす。入り口付近には公園をイメージしたようなオブジェがあり、廃木を利用した花壇が目を引く。札幌・北海道の食、旅、アートに関わる書籍を集めたライブラリーも備えている。さらに100本にも及ぶプラスチック製のワンウェイビール容器が、壁際に天井まで埋め尽くされており、ブルワリーのテイストを醸す。

「私自身がコロナ禍で人との繋がりの大切さを痛感したので、このお店に集う人たちが隣人のように繋がる場になってほしい。そんな思いを込めてNEIGHBOURという冠を付けました。クラフトビールやコーヒー、料理を通して心の距離を縮められるお店を目指したいですね」と髙橋社長は話していた。

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