(画像は、データ可視化イメージ)
これまでの打撃トレーニングでは、可視化や効果測定が難しく、選手はトレーニング方法が適切かどうかの判断ができず、コーチや監督は自身の指導効果が出ているのかどうかが、はっきりと分からないこともあって感覚的な判断に頼りがちだった。
NTTデータが、この新バージョンのV-BALLERを高校野球などアマチュア向けに展開することにしたのは、今年4月から。コロナ禍で、高校野球チームなどアマチュア界での練習がままならなくなっていることが、分かったためだ。野球部員全員による練習が不可能になったり、数人単位での練習が増えたりするようになった。こうした中で、練習ツールとしてV-BALLERが最適という評価が高まっている。
実際にV-BALLERを使用した高校野球チームでは、部員から「普段は練習や試合でなかなか経験できない球速、球種に目が慣れることができ、実際の試合で相手投手の投球を遅く感じるようになった」という声や、「スイングに自信を持てるようになった」との声も出ており、監督、コーチからは「主観的に把握していた選手のクセや打撃の性格が、しっかりとデータに反映されていることを確認できた」という声が寄せられている。
北海道という広域分散で積雪寒冷地という地理的、気象的環境に加えて、コロナ禍が高校野球の日常練習をさらに困難にさせている。「冬期間の練習が難しいことや遠征に多くの日数と多額の費用がかかることを考えると、このツールの有効性は非常に高いと思います。打撃の感覚を失わず、実践的なトレーニングを継続できるという意味ではとても北海道にマッチしているのではないかと思います」(NTTデータ北海道でデジタルビジネスを推進している加賀谷主任)。
NTTデータでは、このV-BALLERをアプリによるサブスクリプション(月額課金)で提供している。アプリを動かすヘッドマウントデバイスと付属コントローラーなどは自前で用意しなければならないが、こうしたデバイスは家電量販店で5万円前後で購入できる。NTTデータでは、地域全体で高校野球を応援する取り組みとして、クラウドファンディングの活用も広がっているため、複数の高校が利用できるような仕組みも検討している。
札幌南高校や立命館慶祥高校の野球部では、V-BALLERの導入に向けて既に動き始めており、札幌南校野球部の田畑監督は、「VR活用によってリアルな世界の見え方を変えるきっかけとなった。理想と現実のギャップを埋めるツールとして、チーム強化の一役を担っていることに間違いはない」と話している。高校野球界のデジタル活用は北海道が先鞭をつけそうだ。
V-BALLERの詳細は、https://v-baller.com