苫東・成田一憲社長インタビュー「自動運転テストコースを誘致」

経済総合

 ――苫小牧港を利用する北極海航路への期待は。

 成田 実際に北極圏にLNG基地開発のため、北極海航路を利用して資材等を運ぶモジュール船が寄港するなど具体的な動きも出てきた。北極海航路が商業用ルートになっていくのは間違いないが、日本の玄関港として苫小牧港が一番有望と北海道経済同友会をはじめ、多くの提言がある。エネルギー関係をこちらに持ってくるとして、ヨーロッパに何を運ぶのかを今の段階から考えていかなければいけないだろう。

 ――道内には工業団地が多いですが、優位性はどうアピールしますか。

 成田 札幌との距離では札幌市東区雁来などで工場や物流センターの誘致が進んでいるが、苫東も札幌との距離は近い。巨大な港があってアジアと直結できることを最大の利点としてアピールしていきたい。苫東は自動車や機械、金属のイメージがあったが輸出を考えると、苫東は食品でも有望な立地拠点になる。

 ――財務面は順調ですか。

 成田 いろんな企業に来てもらい分譲収入、賃貸収入も安定している。売上高は10億円ベースで推移しており、経常利益、純利益ともに2~3億円の範囲で計上している。

 ――食品関係以外で誘致したいのは?

 成田 苫東には、国土交通省の寒地土木研究所の寒地試験道路があるが、自動運転のテストコースをぜひ誘致したい。茨城県つくば市に国は自動運転テストコースを作ったが、雪が降らないため積雪時の自動運転には対応出来ていない。積雪寒冷地の苫東に誘致して、そこで実際に試験をしてもらい、各メーカーの製品開発や生産に繋がる技術拠点になればと思う。

 ――ありがとうございました。

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