札幌商工会議所付属専門学校(CHAMBER ACADEMY=略称CA)が産業界で活躍する人材の育成に高い実績を誇っている。全国514の商工会議所の中で商工会議所が運営する唯一の専門学校という位置づけから、札商会員企業の意向を反映したカリキュラムによる実践教育が特長で、就職率も直近5年間平均で94%と高い。札幌だけでなく道内全域への人材供給で欠かせぬ専門学校になっている。
CAは、昭和30年に設立された民間の簿記会計専門学校の経営を札幌商工会議所が引き継いで同31年からスタートした。 当時は高度成長期で企業などでは会計処理のエキスパートを求めるニーズが高く、CAも簿記会計の専門教育を行う学校として多くの卒業生を送り出してきた。その後、時代の変化に合わせコンピューター関連学科を設置するなどして同62年に校名を北海道簿記専門学校からCAに変更、平成4年には現在地に移転した。
現在は、「経営情報学科」、「システム会計学科」、「税務会計学科」、「総合ビジネス学科」、「ビジネス情報学科」、「北海道観光学科」の6学科に分かれ1学年・2学年合計で560人が在籍。開校以来の卒業生は累計で4万人を超えている。高校の推薦で入学する学生が多く、CAで学びたいと目的意識を持った学生が多いという。
CAの特長は、約1万9千社に及ぶ札商会員企業の集約された経営課題や人材のニーズをカリキュラムに反映させ、企業が求める人材を育成できるほか、1年次からビジネスマナーやパソコン、簿記会計などの技能を学び2年間で社会の即戦力になる能力を身につける実践教育にある。
また、道内の各商工会議所や商工会のネットワークを活用した高い就職率、非営利団体の商工会議所が運営していることによって学費も年間75~80万円と道内の専門学校の平均学費よりも20~25万円低額で保護者の経済的負担が軽減されることなどが特長にあげられる。
そのほかにも札幌地下街オーロラタウンのコミュニケーションスペースを利用した学生による店舗経営実習や会員企業の協力による市内のホテル、観光施設でのインターンシップ、さらに経営者を講師に招いた「経営者講話」など札商の地域に根差した幅広いネットワークを活用した取り組みも大きな強みになっている。
CA主催の求人企業合同説明会
5月19日には、12年ぶりとなるCA主催の求人企業合同説明会を同校3階体育館で実施、予定を上回る51社が参加してキメ細かな就職支援も実施した。
CAの友成祥副校長は、「札商の会員企業に良い人材を送り出すのが使命。開学以来ずっと引き継いできたこの伝統がCAの柱になっています」と語っている。
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