国への非難合戦となった道議会新幹線特別委員会

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北海道新幹線に新たな難題が浮上してきた。国の整備新幹線問題検討会議で、北海道新幹線について、①青函共用走行区間における運行形態のあり方②並行在来線の経営のあり方③最高設計速度の見直しの3点が指摘され、さらに詳細な検討を行う必要があるということになったためだ。


9月8日に開かれた道議会新幹線・総合交通体系対策特別委員会でこの問題が議論された。道新幹線は時速260㌔を設計速度にしているが、検討会議の中で出てきたのは時速320㌔。最高速度がアップすれば札幌と東京間の時間短縮につながり期待は高まるのだが、問題は環境影響評価。
国は速度が20㌔アップするごとに環境影響評価を行うことを決めており、道新幹線の最高速度設計が上がれば、環境影響評価を再実施しなければならない。
環境影響評価は国が行うのだが、道によると「最低で半年、最高で3年の期間を要する」という見通しを示した。
北海道新幹線の認可は、今年12月が大きな節目だが、環境影響評価の再実施ということになれば着工は遠のく。
北陸新幹線は、敦賀だけでなく敦賀以西の整備のあり方を国の検討会議で指摘されているだけに、この問題を質問した中村裕之道議は、「北陸新幹線がさらに西まで検討せよと言われているのは、道新幹線に置き換えると札幌を越えて旭川くらいまで検討せよと言われているのと同じ。北陸新幹線と道新幹線とではずいぶん国の扱いが違うなぁというのが実感」と率直な意見を述べていた。
この日の特別委員会は国の道新幹線に対する嫌がらせとも思えるような指摘に道議たちのイライラも募ったようで、「4年後には新函館まで新幹線が開通するから、青函トンネルで新幹線車両と貨物列車などがすれ違う問題はとっくにクリアーされているものと思っていたのに、何で今ごろトンネル内の運行形態について指摘されたのか」「国交省は新幹線を海外にもって行くと言っているが、国内の新幹線をきちっと整備するのが先だろう。国の新幹線を整備してからその実績を海外に持っていけばいい。順序が逆だ」など、この日の特別委員会は道議たちの国に対する不満が爆発していた。
(写真は札幌商工会議所が入る経済センターに掲げられた北海道新幹線誘致の横断幕)

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