消費増税後を睨んで流通各社の買い物客囲い込みが進んでいる。アークス(本社・札幌市)はグループ各店で使える「RARAカード」入会者が今期末(2014年2月末)に250万人に迫り、コープさっぽろ(本部・札幌市)の組合員が今年度末(14年3月20日)までに150万人を超えることが確実になった。カードホルダーや組合員は買い物客のストアロイヤルティを示す指標にもなるだけに、消費増税後の買い物客離れを防ぐ一つの手段として各社とも注力している。
アークスの「RARAカード」は、昨年8月から東北の100%子会社、ユニバース(青森市)とジョイス(盛岡市)の各店舗に導入を開始、昨年末までに約60万人の新規入会があり、道内の180万人と合わせると240万人を達成した模様だ。これまで、ユニバースとジョイスは別々のカードを発行していたが、「RARAカード」に統一したことで両方の店舗で使えることになり買い物の利便性は高まる。
東北の会員は、あらかじめ現金をチャージしておくプリペイドカードの比率が道内よりも高いのが特徴。今期末には北海道と東北のトータルで250万人に迫る会員数を確保できそうだという。同カードは現在、315円に1ポイントが貯まるようになっており500ポイント貯まると500円の買い物ギフト券と交換できる。4月からの消費増税後のポイントについては現在検討中。
一方、コープさっぽろは今年度のスローガンを『生協を好きな人を増やす』に決めて、組合員加入条件の出資金を5000円から1000円に引き下げたことで組合員加入が増加。12月末までで新たに7万6300人が組合員になった。今年度末までに3万人ほどの加入を見込んでおり、総組合員数は150万人突破が確実な情勢。組合員になると「レインボーカード」が発行され、こちらは350円で1ポイントが付与され、500ポイントになると500円が割引される。
消費増税後の買い物客離れを食い止めようとスーパー各社は、ハウスカードのホルダー獲得に力を入れている。カードの利便性や特典を競うサービス競争も今後激化しそうだ。