アークスグループのラルズ(本社・札幌市)は、昨年8月末まで営業していた長崎屋室蘭中央店(室蘭市中央町)の土地・建物を取得した。建物は3階建てで店舗面積は約9000㎡。建築されて30年以上建っているが、現店舗を利用するか取り壊して新店舗を建設するかは未定。アークスの横山清社長(ラルズ会長)は「ラルズと言うと室蘭に店舗のあった合併前の旧金市舘として知られており市民にも馴染みがある。今後の利用を検討したい」と語っている。
長崎屋室蘭中央店は、1981年にオープンした総合スーパー(GMS)。しかし、長崎屋は経営不振から会社更生法の適用を申請、ファンド会社を経てキョウデン(東京)が経営権を取得、さらに2007年にドン・キホーテ(東京)に売却された。室蘭中央店は、07年以降、ドン・キホーテが土地建物の所有権を持つキョウデンエリアネット(東京)から賃借して営業、昨年8月末に31年間の営業を終えていた。
キュウデンエリアネットは土地建物の売却先を探す過程でラルズと接触。しかし、建物が築30年を超えてアスベストの使用も考えられるために解体すれば数億円の出費が必要になるとしてラルズは難色を示していた。
結局、キョウデンエリアネットは土地代のみの価格でラルズと合意、12月中旬に正式合意した模様。取得価格は非公表。
横山社長は、「今後の利用については現在、検討段階」としている。
なお、室蘭中央地区には、コープさっぽろが旧志賀綜合食料品店をグループ化して運営している「しが驛前店」があるが、昨年8月の長崎屋室蘭中央店閉店以降、前年同月比で160%の伸び確保するなど好調な売上げを見せている。