ーー深掘りとは、店舗の移転などによって利用環境を高めるということですか。
赤尾 例えば、木の花店(札幌市豊平区)を隣接地に移転して駐車場を広くしたところ、売り上げは2倍になりました。他の店舗も建て替えにより、駐車場の利便性が上がり、2~3割伸びています。
ーーリニューアルでお客さまが増えても、それをベースとして維持していくのはなかなか大変だと思います。
赤尾 結局、細かいことの積み重ねです。掃除をして店舗を清潔にした上で、接客を良くして、欠品もないようにするーーこの積み重ねが大事です。現在、店舗担当者(スーパーバイザー)に加えて、店舗を別な視点でチェックする社員を配置しています。また、レシートのQRコードからアンケートのページに遷移するようになっていて、月間1万件、さまざまなご意見をいただいています。こうした意見に、一つひとつ対応しています。
ーーどんな意見が多いですか。
赤尾 こんな商品を扱ってほしいとか、叱咤激励などさまざまです。あるワインを冷やして売ってほしいというご意見をいただき、変更した店舗があります。同じお客さまとみられる方から次のアンケートでありがとうございます、というご意見をいただきました。ひと目見て、店舗が大きく変わることはありませんが、じわじわと変わっていき、私たちの目線で言えば、気になるところが少なくなっていっています。
ーー今期の店舗への投資は。
赤尾 関東で5店舗、北海道も5~6店舗の純増を見込んでいます。北海道は、25店舗程度建設しますが、大半は移転建替です。古い店舗が結構あるので、あと200店舗程度は、 駐車場拡大や建て替え、移転で売り上げの拡大が期待できます。伸びしろは非常に大きいです。
ーーラピダス進出で活況の千歳市について、どういう出店戦略を立てていますか。
赤尾 千歳市内は、ラピダス進出前から、重点的に店舗の再配置を続けてきました。ラピダスによって地価が上昇しており、私たちとしてはやりにくくなったというのが本音です。今期は2店舗を新規出店、来期も2店舗以上を新規出店します。これによって、千歳エリアのスクラップ&ビルドは一段落します。
ーー千歳市あずさ4丁目には、セイコーマートが2店舗併存しています。
赤尾 他の地域なら、ああいう出店はしません。千歳市に関しては、先行投資の意味があります。
ーー千歳市以外はどうですか。
赤尾 恵庭市や苫小牧市でも店舗を増やしてきました。いずれも来年以降ですが、出店が決まっています。それ以外の地域では、駐車場を広げるような形で建て替えを続けていきます。
ーー新千歳空港には、セイコーマートがありません。
赤尾 たくさんのご要望をいただいており、機会があれば出したい。