コープさっぽろ(本部・札幌市西区)の大見英明理事長(66)が、日本生活協同組合連合会の副会長に就任した。コープさっぽろが持つ子育て支援のノウハウや実績を全国の生協に横展開するとともに、全国生協の新しい知見を導入するなど、双方向の交流をより深める体制を築く。また、コープさっぽろは、製造小売業(SPA)に物流をプラスした進化系小売業の道筋も描き、2025年度から物流2社の路線統合による効率化にも着手する。大見理事長に、コープさっぽろが目指す方向を聞いた。〈おおみ・ひであき…1958年12月、愛知県安城市生まれ。1982年北海道大学教育学部卒、同年、生活協同組合札幌市民生協に入協。2004年常務理事、2006年専務理事、2007年理事長。2025年日本生活協同組合連合会副会長。2022年小樽商科大学商学部特任教授就任、食品表示検定協会副代表、日本流通産業(ニチリウ)取締役。
ーー2025年6月に日本生活協同組合連合会(日生協、本部・東京都渋谷区)副会長に就任されました。
大見 全国の生協は、2020年のコロナで業績が良くなりましたが、コロナが明けるに連れて、総じて業績が後退していく局面に入っています。また、生協は、団塊の世代が主な支持層になっています。このコア層が、75歳を超えて一人暮らしになるなど、どんどん減っています。その次の団塊ジュニア世代もボリュームゾーンとして支持を得ていますが、この下の層の支持を獲得できていません。この層を獲得できないと、生協は、世代継承をやり遂げたことにならない。
つまり、団塊の世代のコア層が減少するスピードと、新しく子育て層を獲得するスピードがミスマッチの状況なのです。そうした中で、コープさっぽろは、2010年頃から子育て支援の取り組みを始めました。いろいろな形で、地域の子どもたちと一緒にイベントを開催してきました。子育て世帯に絵本を無償提供する「えほんがトドック」やコープ商品を無償で届ける「ファーストチャイルドボックス」などです。こうした取り組みが奏功して、コープさっぽろの組合員は、純増しています。大型生協で、組合員が純増になっているのは、当生協くらいでしょう。このノウハウ、経験をもっと全国に活用してほしいという気持ちが、以前からありました。
生協は、社会的な役割を発揮する重要なサードセクターになっていて、社会のバランスを取るのに必要な中核的組織になっていると思います。そうした役割を果たし続けることが重要です。そのためのお手伝いができるのでは、ということで副会長に就任させていただきました。当生協から日生協に、以前から人材を派遣していますし、日生協からも人材を受け入れており、今も執行役員として招いています。生協は、全国各地にあるので、新しい知見も出てきます。それを当生協にフィードバックできるような強い関係になれたらいいと考えています。
ーー注目している生協は、ありますか。
大見 みやぎ生協(本部・宮城県仙台市)は元気が良いし、大阪のいずみ市民生協(同・堺市堺区)も引き続き調子が良いですから、注目しています。生協は、全国47都道府県にあって、2007年の生協法改正で広域統合ができるようになりましたが、各生協には、それぞれ地域性があります。各地域で独自の発展をしており、それが共有財産になっています。それらを機能的に集約して、互いに学び合う関係になっていくことが重要です。日生協が、そのプラットフォームとして役割を果たしていけたらいいなと思っています。