JR北海道(本社・札幌市中央区)グループの2024年度決算が、2025年5月9日に発表された。グループの中では、札幌駅総合開発(同・同、JR北海道の持ち分比率63%)の業績が好調で、営業利益は、子会社全体の20%を稼ぎ、純利益は、25%を占めている。(写真は、「札幌ステラプレイス」が入るJRタワー)
札幌駅総合開発は、JR札幌駅の商業施設やオフィスなどの賃貸運営を主な業務にしている。JRタワーやJRタワーオフィスプラザさっぽろ、札幌ステラプレイスやアピアなどが主な施設で、2024年度(2024年4月1日~2025年3月31日)は、2022年9月末に閉館した「パセオ」、2023年8月末に閉館した「エスタ」が、フルで決算に影響する年度となったが、売上高は、134億9200万円と前期比9・5%減となったものの、本業で稼ぐ営業利益は、18億100万円と8・1%の営業増益になった。経常利益は、21億8600万円となり、5・5%増、純利益は、15億2700万円で、5・8%増だった。
「パセオ」「エスタ」を運営していた当時の2021年度は、コロナ禍の影響もあったが、売上高は、173億8000万円を計上していた。単純計算でいけば、2館閉館により減収は、約39億円になる。しかし、営業利益を見ると、2021度は、14億7600万円だったが、2024年度は、前出のように18億100万円で、当時と比べて22%上昇した。2023年度は、その前の期に比べて6・3%の営業減益となったものの、2024年度は盛り返した。2館閉館の影響を、「札幌ステラプレイス」と「アピア」の好業績による、賃貸収入増で補っているという見方もできる。
2024年度のJR北海道子会社合計の営業利益は86億9000万円、純利益は62億4400万円。札幌駅総合開発は、営業利益、純利益ともに子会社で一番の稼ぎ頭になっている。「パセオ」後継の商業施設は、2028年冬頃に開業する予定で、それまでの間は、「ステラ」と「エスタ」が、引き続き業績の牽引役を担いそうだ。