【2025年2月期決算】アークス、売上高初の6000億円超え、純利益は第4四半期で挽回

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 アークス(本社・札幌市中央区)の2025年2月期連結決算は、売上高6082億8400万円、営業利益159億3600万円、経常利益175億4000万円、純利益110億6300万円となり、前期比2・8%の増収、5・3%の営業減益、4・9%の経常減益、6・0%の純利益減となった。純利益は、第3四半期累計で10%前後の減益だったが、第4四半期の3ヵ月間で回復、5%前後の減益幅に縮めた。売上高は過去最高で、6000億円を超えたのは初めて。(写真は、決算を発表するアークス・古川公一副会長・CFO)

 店舗展開では、ユニバース(本社・八戸市)の移転新築が1店舗、改装は24店舗、閉店2店舗で、期末総店舗数は375店舗(前期より2店舗減)。既存店ベースの客数は前期比0・1%減、客単価は2・5%増、買い上げ点数は1・2%減。
 2025年4月14日に、札幌市内のホテルライフォート札幌で行われた決算発表会見で、アークスの古川公一副会長・CFOは、「インフレ度合いは、2024年8月のコメ不足以降、ますます高まっており、お客さまの心理的影響を大きくしている。価格に対する要求は厳しくなっているほか、鮮度・おいしさへの視線も従来以上に厳しくなっている。これらの点をきちっと押さえて、商品を提供できるかどうかが、スーパーマーケットの勝負の分かれ目になる」と述べた上で、低価格スーパー「ロピア」の出店に触れ、「昨年秋口以降、競合出店があったが、今のところ、ラルズ、東光ストアについては、ほとんど影響を受けていない」と話した。

 配当を前期の68円から、6円増配の74円とすることについて、「配当性向30%から40%を目指すことにしており、増配はその一環。また、第4四半期で利益を回復させたこと、賃上げ優遇税制によって純利益が想定以上に伸びたことなどから、手持ち現金をしっかりと株主還元していくことがプライム上場企業の責務」(古川氏)と、積極増配の理由を語った。
 主な指標は次の通り。■粗利率25・1%(前期比0・2ポイント低下)■売上高販管費比率22・5%(前期比0・1ポイント上昇)■売上高営業利益率2・6%(前期比0・2ポイント低下)

■主要子会社の業績 ()内は前期比
▷ラルズ 売上高1549億5700万円(4・5%増) 営業利益78億1800万円(1・9%増) 経常利益81億5100万円(1・9%増) 純利益57億8200万円(2・4%増)
▷ユニバース 売上高1456億6300万円(3・5%増) 営業利益50億7700万円(12・9%減) 経常利益52億9300万円(12・8%減) 純利益38億3700万円(11・0%減)
▷ベルジョイス 売上高846億6800万円(1・9%増) 営業利益12億400万円(32・2%増) 経常利益14億4100万円(34・0%増) 純利益7億2700万円(41・5%増)

▷道北アークス 売上高447億2200万円(0・6%増) 経常利益4億3200万円(39・1%減)
▷福原 売上高436億9400万円(1・0%増) 経常利益14億700万円(4・4%減)
▷東光ストア 売上高412億4000万円(1・7%増) 経常利益9億8900万円(0・8%増) 
▷道南ラルズ 売上高302億6800万円(6・0%増) 経常利益8億7600万円(7・8%増)

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