十勝産馬鈴しょでん粉使用のクラフトビール「ベジビール」、コープさっぽろ×網走ビールが共同開発

流通

 コープさっぽろ(本部・札幌市西区)とクラフトビール製造・販売の網走ビール(本社・網走市)は共同で、規格外馬鈴しょから製造した、でん粉を使用したクラフトビール「ベジビール」を開発、店舗と宅配システムトドックで販売を開始する。馬鈴しょでん粉を副原料に使うことで、飲み口が柔らかくなり、すっきりしたキレが生まれる。キリンビール(同・東京都中野区)が、試験醸造品の分析・官能評価で協力した。店舗は、2025年4月1日(火)から、トドックは、同年3月24日(月)から注文の受け付けを始める。(写真は、「ベジビール」の発売会見。左からキリンビール・大谷哲司クラフトビール事業部長、網走ビール・長岡拓児社長、コープさっぽろ・石山博文商品本部副本部長=2025年3月21日、コープさっぽろで)

 開発のきっかけは、キリンビールのコープさっぽろ営業担当者が、札幌市内のクラフトビール飲食店で、元網走ビール社員でフリー醸造家の畠山雅之氏と知り合い、同氏が、規格外野菜を使ったクラフトビールを手掛けていることを知り、コープさっぽろに繋いだこと。コープさっぽろでは、2010年から農家や農業生産法人と契約して、規格外野菜を「ぶこつ野菜」として店頭販売しており、取引の多い尾藤農産(河西郡根室町)の生食用馬鈴しょ「北あかり」の規格外品を使うことにした。

(写真は、規格外馬鈴しょから作った、でん粉を使用した「ベジビール」)

 同農産の「北あかり」規格外品は、でん粉製造用に一部が使われており、今回は、そのでん粉を原料として利用した。馬鈴しょでん粉を使ったビールは、一部で製造されているが、畠山氏は、網走ビールと一緒に、ドイツで製造した麦芽8に対して、でん粉を2の比率で配合したクラフトビールに最適なレシピを開発。キリンビールスプリングバレー代官山のヘッドブリュワーや北海道千歳工場の醸造家が、試験醸造品の分析・官能評価を行って改良を加えた。網走ビールの長岡拓児社長は、「味わいは白ブドウのような爽やかな香りで、苦みの少ないすっきりとしたおいしさがある。想像以上のおいしさに驚いていただけると思う」と話した。

 網走ビール本社工場で、5日間かけて約5000ℓを製造、使用した「北あかり」は約2t、50ml缶のみで、1万2000本を用意した。アルコール分6%。価格は、1本税抜き598円、店舗では、ベジビール1本とスプリングバレー3本の4本セットで税抜き1325円、トドックでは、ベジビール2本とスプリングバレー3種各1本の5本セット税抜き1998円で販売する。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER