イオン北海道・青栁英樹社長インタビュー「西友承継の効果」「GMSの改善のヒント」「ロピアは脅威」

流通


 ーーイオン北海道とマックスバリュ北海道の統合から4年半になりました。統合効果は出ていますか。

 青栁 統合した時、イオン北海道はGMSの新店投資を行っていなかったため、キャッシュが十分にありました。それを使って、SM(スーパーマーケット)の「マックスバリュ」の活性化を行い、成長軌道に乗せようというのが、(統合の)一番の目標で、それは、2、3年でやり切りました。その上でマーケティングを実施するなどした結果、「マックスバリュ」は、確実に強くなりました。DS(ディスカウントストア)の「ザ・ビッグ」は、品揃えの見直しのほか、省力化、省人化を進め、ローコストオペレーションを極めてきました。統合してSM、DSを一歩先に進めることができ、売り上げも伴って成功したと思っています。

 商品の統合では、イオン石狩PCを稼働させ、物流の問題にも取り組んできました。デリカの自社開発によって、商品の差別化も相当できています。地域のエリアバイイングも可能となり、前浜で水揚げされる魚介類の品揃えなど、地産地消も進化させることができました。さらに、ラインロビング(既存の商品カテゴリーに加えて、新たな商品ラインを取り扱い、他社や他業態からシェアを奪うこと)も積極的に進めました。食品では、GMSで売れていれば、SMにも導入し、SMで売れ行きが鈍るとGMSに戻したりして、SMの品揃えの幅が広がりました。

 ーーGMS「イオン」の食品売り場とSMの「マックスバリュ」の違いは、どこにありますか。

 青柳 棚割のウエイト付けやプライス政策を変えていますが、「マックスバリュ」の屋号が付いていても、「イオン」のMDが必要な店もあります。現在は、GMSの食品売り場とSMは分けていますが、この辺りを整理をしないといけないと思っています。スケールメリットを考えると、一緒に商品を調達した方が、価格の交渉力はつきますから。

 ーーフード&ドラッグ業態の「イオン」の出店も始まりました。

 青栁 元々、「マックスバリュ」店舗が立ち上がり始めた1993年頃は、フード&ドラッグの考え方でした。薬売り場には薬剤師が入り、化粧品カウンセリングでは、カネボウ、資生堂、コーセーも入りました。それが、フード&ドラッグの「マックスバリュ」という業態でした。徐々に単独店舗からNSC(ネイバーフッド型ショッピングセンター)が増えていった時に、ホーマック(現DCM)さんやツルハさんと資本を互いに入れて、共同出店することが始まりました。ドラッグは、ツルハさんに任せて、食品を深堀りする方向に変わっていったのです。

 しかし、最近は、ドラッグストアが食品分野に入ってきて、今やスーパーマーケットとも言える状況です。そうなると、私たちも非食品、つまりノンフーズ系、ドラッグ系をもう少し増やした方が良いということで、再度、フード&ドラッグの業態を取れ入れようとなったわけです。建て替えで出店した「イオン南平岸店」や「イオン北郷店」は、フード&ドラッグ業態にしました。西友承継店舗でも「イオン札幌平岸店」「イオン札幌清田店」「イオン札幌旭ヶ丘店」は、その業態にしました。

ーーSMの「マックスバリュ」とフード&ドラッグの「イオン」との違いは、何ですか。

青栁 食品に加えて医薬品を含むH&BC(ヘルス&ビューティーケア)の比較的大きな売り場を設置しているのが、フード&ドラッグの「イオン」で、食品に加えて日用雑貨の品揃えをしているのが、「マックスバリュ」です。

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