アークス2025年2月期中間決算、売上高過去最高だが人件費増で13%減益

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 アークス(本社・札幌市中央区)の2025年2月期第2四半期(中間期)決算は、売上高3027億4000万円、営業利益71億6200万円、純利益49億9900万円となり、前年同期比3・6%の増収、9・7%の営業減益、13・8%の純利益減だった。売上高は、中間期で過去最高になったが、人件費などの販管費の増加で、減益を余儀なくされた。通期予想の売上高6130億円(前期比3・6%増)、営業利益173億円(同2・8%増)、純利益116億円(同1・4%減)は据え置いた。(写真は、2025年2月期中間決算を発表するアークスの古川公一副会長・CFO=右)

 客数は前年同期比0・4%減、客単価は同3・4%増、1点単価は同3・7%増、1人当たりの買い上げ点数は同0・2%減、既存店売上高は同3・0%増だった。売上総利益率(粗利率)は24・9%で前年同期より、0・2ポイント低下した一方で、売上高販管費比率は22・6%で同0・2ポイント上昇、「経費の増加は予算内にとどまってコントロールは効いているが、それをカバーする粗利が確保できなかったための減益」(古川公一副会長)。

 販管費が増えたのは、人件費が上昇したため。グループ平均で5%を超える賃上げを実施しており、前年同期に比べて16億円増加した。また、設備投資関係で6億円、ポイント経費で1億2000万円が、前年同期よりも増えた。

 同社は、2024年2月に北海道コンサドーレ札幌とクラブパートナー契約締結、「RARAプリカ・コンサドーレカード」の発行を開始したが、サポーター会員を中心に4~9月で5500件の会員数となった。同カードの買い物金額は2億円超え、1人当たりの買い上げ単価は2万4000円と、通常のカード会員よりも高く、「楽しみな展開が期待できる」(古川副会長)とした。なお、中間期末の「アークスRARAカード」会員数は328万人で、2024年2月期末よりも2・6万人増加した。

 下期の個人消費動向について、古川副会長は「10月から商品の値上げ品目が拡大しているが、冬場のエネルギーコストが響く北海道・東北では家計のインパンクトが大きく、節約志向はますます高まる。当グループでは、価格政策を相当意識して強めていく」と話した。電気料金の補助が、10月から復活することもあって、経費削減効果は10数億円見込めるため、価格政策による売り上げ増で 中間期の減益からの挽回は可能としている。

 また、下期以降は「ロピア」「ザ・ビッグ」、「トライアル」などDS(ディスカウントストア)の店舗が増え、価格競争が一段と高まることについて、「ラルズを中心に、価格訴求には自信がある。ロピアは、年内は1店舗なのでしっかり勉強して、競い負けしないように価格、鮮度、おいしさ、品揃えに集中して対応していく」(古川副会長)とした。

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