国分北海道会(事務局・札幌市中央区)は、2024年「国分北海道会第11回秋季例会」を同年10月9日、ホテルモントレーエーデルホフ札幌13階ベルヴェデーレで開催した。国分北海道の取引先メーカーや物流企業から187人、国分北海道社員を含めて、合計217人が出席して行われた。(写真は、講演する藤井純一・元日本ハムファイターズ社長)
最初に、国分北海道会会長のサッポロビール北海道本部上席執行役員北海道本社代表兼北海道本部長の森本光俊氏が登壇。森本氏は、「国分北海道が、商品面、物流面で北海道を盛り上げる役割を担っていることは大きい。また、北海道の素晴らしい産業を道外に移出して、全国のお客さまに北海道の価値を知っていただく活動も貴重だ」と挨拶した。
続いて、特別会員挨拶として、国分北海道社長の諏訪勝巳氏が業績を報告。1~9月累計で金額ベースは、前年同期間比102・5%、物量ベースは、同100・9%だったことを示した。カテゴリー別では、9月単月で加工食品が同101・4%、冷凍食品が同113・3%、ビール同101・5%、ビールテイスト同64・5%になったとし、「9月でイトーヨーカドーや西友が閉店となり、10月以降は、もっと減少するとみている」と話した。
国分北海道の活動報告に移り、量販事業部低温営業課の菅原卯一朗氏が「北海道チルド事業拡大に向けた商品開発」をテーマに、ヨシムラ・フード・ホールディングス(本社・東京都千代田区)のグループ企業、丸太太兵衛小林製麺(同・札幌市手稲区)の麺を使用して共同開発した「らーめん信玄監修 コク味噌味」の開発経緯などを紹介した。また、マーケティング部企画課の古城尚子氏は、同社が実施している、メーカー向けの社員研修やセンター視察物流理解研修、若手営業向け業務用市場の理解研修などの案内を行った。
講演会では、元日本ハムファイターズ社長・立命館大学スポーツ健康科学部大学院客員教授の藤井純一氏が、「北海道日本ハムファイターズに学ぶ経営の極意~人材活性から組織活性へ~」をテーマに90分間話した。藤井氏は、本拠地が東京ドームだった時代、運営に年間67億円が必要だったのに対して、収入は20億円で、赤字を親会社から補填してもらうなど、親方日の丸体質で危機感がなかったことを話した。移転を機に、藤井氏は、スポーツビジネス界では最初に企業理念を掲げ、自分たちで自立した球団になるため、経営理念、行動指針も同時に決めたことを紹介、「組織改革と社員の意識改革を進め、地域の公共財になることがビジョンの最終目的であることを徹底した」と話した。
札幌移転から4年後の2008年に黒字になったが、「当時はベンチャー企業のようにさまざまなことにチャレンジした。ヘルメット型カップに入れたアイスクリームは1日1000個売れ、私を含め球団職員全員で販売したこともある」と語った。そのうえで、「スピード、有限実行、常に半歩前進が経営に最も必要なことで、投資のタイミングも重要だ」と指摘していた。