社会貢献活動を積極的に推進しているニトリホールディングスの似鳥昭雄社長が5日、道の高橋はるみ知事と札幌医科大学の島本和明学長からそれぞれ感謝状の贈呈を受けた。同社が取り組んでいる国の天然記念物のタンチョウヅル保護活動と札医大に緩和ケアの寄付講座を開講することに伴うもの。札医大の寄付講座はアインファーマシーズと共同で実施する。(写真左はタンチョウヅルの台湾寄贈に関して高橋知事から贈られた感謝状を手にする似鳥社長=左から2人目。写真右は札医大に緩和ケア寄付講座開設で島本学長から贈られた感謝状を手にする似鳥社長=左端と大谷社長=左から3人目)
タンチョウヅルの保護活動の一環として、ニトリホールディングスは2011年2月に道、釧路市と『ニトリ・サルルンカムイ・プロジェクト連携協定』を締結。台湾の台北動物園にタンチョウ2羽を寄贈して釧路市動物園との学術交流を進めている。今回、感謝状が贈呈されたのはプロジェクトが2年経過して台湾と道、釧路市の交流が深まっていることに対して行われたもので、残り3年間で繁殖の成功に向けてさらに両動物園での学術交流が活発化していくものと見られている。
似鳥昭雄社長は、「これまで2回台北動物園で釧路市動物園から贈られたビッグとキカを見たが、雛が生まれてくれば一番うれしい。ニトリの台湾での店舗数が今年は19になるので行く機会もふえるがそのたびに会いに行きたい」と語っていた。
また、札医大にはアインファーマシーズと共同で寄付講座「アイン・ニトリ緩和医療学推進講座」を開設するのを受けて島本学長から似鳥社長と大谷喜一社長にそれぞれ感謝状が贈られた。
この講座は、がん医療推進のため、札医大で「がん相談サロン」を運営することや医師主導から臨床心理士、社会福祉士が参加した多職種連携によるケアの質向上を目指すモデルケース提唱を目的とした寄付講座。今後3年間で1500万円を講座開設費用として両社が寄付する。
似鳥社長は、「父親が肺がんで末期は大変苦しんでいた。緩和ケアが進展して欲しい」と語り、大谷社長も「私もがんの家系でしかも難治がんで亡くなっている場合が多い。本人や家族の苦しみを少しでも和らげる研究を進めて欲しい」と挨拶した。