「イトーヨーカドー屯田店」(札幌市北区)が、2024年7月28日19時で営業を終了した。1999年11月にオープンしてから24年、地域とともに歩んできたGMS(総合スーパー)が、役割を終えた。(写真は、「イトーヨーカドー屯田店」で行われた、閉店セレモニーで挨拶する清水幸夫ストアマネジャー)
最終営業日には、多くの買い物客が押し寄せた。食品フロアは、年末の混雑を思わせるように、お客同士がすれ違うのもやっとというほどで、精肉や鮮魚のコーナーは身動きできないほど賑わった。日配品やグロサリー食品の棚には商品がなくなるなど、店内は異様な熱気に包まれた。2階の衣料品フロアも、通常の営業日では考えられないほど混み合った。
また、フードコートでは満席が続き、ヨーカドー店舗で名物だった「ポッポ」は材料がなくなり、早々と営業を終了した。1階西出入り口付近では、縦2m、横10mほどのメッセ―ドボードが立てかけられ、数えきれないほどのメッセージが貼られていた。
閉店後の19時10分から東側出入り口付近で行われたセレモニーで、清水幸夫屯田店ストアマネジャー(店長)が登壇すると、集まった多くの人たちから拍手が贈られた。清水ストアマネジャーは、「イトーヨーカドーの中でも、屯田店は業績好調なお店でした。残念ながら、会社の事情で、明日からこのお店は開店しません。大変ご不便をおかけし、本当に申し訳なく思っています。最後までこんなに多くのお客さまに来ていただき、心から感謝申し上げたい」と話した後、北海道を元気にしているファイターズにあやかって一本締めを提案。清水ストアマネジャーの音頭で、詰めかけた人や従業員一同が一緒に一本締めを行い、互いに感謝の気持ちを伝え合った。その後、従業員一同が深々とお辞儀をする中、シャッターが閉じられると、「ありがとう」の声が飛び交い、拍手が惜しみなく続いた。
閉店後は、「ロピア」を中核企業とするOIC(オイシー)グループ(本社・川崎市幸区)が運営を承継。ほぼ1ヵ月後、2024年8月29日に一部店舗とともに新しい商業施設「CiiNA CiiNA(シーナシーナ)屯田」が先行オープンして、冬頃には「ロピア」が営業を開始、新たなスタートを切る。