一般社団法人日本加工食品卸協会(日食協)北海道支部と賛助会員の北海道支部ワーキンググループの共催による勉強会が、2024年5月30日、札幌市中央区のグランドメルキュール札幌大通公園で開催された。会員や賛助会員ら約160人が出席した。(写真は、日食協北海道支部勉強会で挨拶する矢野禎人・世話人会代表)
最初に、日食協北海道支部世話人会代表の北海道味の素・矢野禎人社長が登壇、「日食協は、業界の重点テーマである持続可能な物流構築、サプライチェーン全体を繋ぐデータ基盤の構築、環境問題に対する食品卸業のコミットメントに取り組んでいる。製販配の連携によって、食品業界全体、サプライチェーン全体のこれらテーマに積極的に取り組み、課題解決に向けて役割を果たしていくことが重要」と挨拶した。
(写真は、講演する日食協・時岡肯平専務理事)
続いて、日食協・時岡肯平専務理事が、『サスティナブルなフードサプライチェーンを目指して~持続可能な物流の構築に向けた取り組み~』をテーマに講演。時岡氏は、製販配の3層における物流連携を図る「フードサプライチェーン・サスティナビリティプロジェクト会議」(FSP会議)について紹介したうえで、①店舗納品期限「2分の残し」への統一化とそれを前提としたメーカー・卸間納品期限のルール化②3層間の最適連携を目指す小売・卸間、卸・メーカー間の定番発注締め時間調整③特売・新商品の確定数量化を可能にする適正納品リードタイムの確保ーーという3つのアクションプランについて説明した。また、2年後には、サプライチェーンマネジメントの中で「物流統括責任者」(CLO)の運用が始まることも示した。
(写真は、講演する伊藤忠食品の村上弘太郎氏)
次に、日食協N-Torus技術専門部会座長の伊藤忠食品ロジスティクス本部ロジスティクス企画部企画チーム・村上弘太郎氏が、『N-Torus(日食協トラック入荷受付・予約システム)について』と題して講演。村上氏は、N-Torusの2024年5月時点の稼働状況や利用状況、今後の機能拡張計画について話した。最後に、「今までは、待っていれば納品いただけるところもあったが、これからは待っているだけでは納品されないと危惧している。先行在庫や弊社便を使った引き取り、弊社の倉庫滞在時間を短くして納品を改善するなど、卸側の工夫がメーカー物流を改善する一助になればと考えている」と話した。