小売物流のアイアイ・テーなど5社がコープさっぽろグループに、北海道ロジサービスが株式譲受

流通

 コープさっぽろ(本部・札幌市西区)グループの北海道ロジサービス(本社・江別市)は、北海道でスーパーマーケットやディスカウントストア向け物流事業を行っている、アイアイ・テー(同・石狩市)など物流3社と青果卸のオリエンタルフーズ(同・札幌市西区)の株式を持つ、日本産業推進機構グループ(同・東京都港区)から、全株式を取得した。取得額は非公表、取得日は、2024年5月29日。(写真は、アイアイ・テー本社)

 オリエンタルフーズは、1978年設立の青果卸事業会社で、道内のスーパーマーケット向けに展開しており、もやし・柑橘類といった特定カテゴリーで高いマーケットシェアを持つ。アイアイ・テーはオリエンタルフーズの物流部門を分離して1988年に設立され、現在はグループのウィルキャリアー(本社・苫小牧市)、デリバリー(同・同)、ロジエンス北海道(同・石狩市)と合わせて、石狩市を中心に3温度帯(常温、冷蔵、冷凍)に対応した、7つの物流センターと300台を超えるトラックを有している。

 これらオリエンタルフーズとアイアイ・テーグループの5社は、2021年7月に、日本産業推進機構グループと資本業務提携、同グループの経営支援を受けて、経営改善を進めてきた。資本提携のスキームは、同グループの投資事業有限責任組合が出資する持ち株会社を設立、5社を傘下に置くというものだった。こうした資本提携から2年が経過、出口戦略も見えてきたことから、同グループは、コープさっぽろグループに全株式を売却することにした。

 コープさっぽろは現在、北海道ロジサービスのトラックなど約1700台強を運行できる体制を整備しており、宅配トドックや移動販売車、夕食宅配などを自前運用している。トラック運転手の残業規制など「2024年問題」、深刻な労働力不足が懸念される「2030年問題」が迫っていることから、今回5社をグループ化、ロジスティクス部門の強化を図ることにした。5社全体の売上高は約110億円、従業員数はパートを含めて約640人、現在の取引先を維持しつつ、コープさっぽろグループの取り扱い比率を高めていく。

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