今やスーパーマーケットの前にスーパーマーケットが出店するのは珍しくない。室蘭市東町で今夏から始まる「マックスバリュ」VS.「トライアル」。札幌市手稲区新発寒で繰り広げられている両ブランドの眼前対決が、室蘭でも繰り広げられる。(写真は、「スーパーセンタートライアル」の店舗看板)
東京証券取引所グロース市場に上場したばかりのトライアルカンパニー(本社・福岡市東区)。上場を機に全国で出店を増やしていく考えで、北海道も例外ではない。とはいえ、広い北海道であってもスーパーの立地に適している場所はそうそうない。いかに、郊外立地を好む「トライアル」でも郊外店ばかりでは、これからの少子高齢化、人口減少が全国よりも早く進む北海道では心もとない。
街中立地も並行して進めなければ、将来的な成長は見込めない。郊外は土地代の安さで、高騰する建築コストを吸収できる新設店舗、街中は初期投資が抑えられる居抜き出店というダブルアプローチで店舗拡大を進めていく考えのようだ。
街中出店になるのが、2024年7月上旬出店予定の「スーパーセンタートライアル室蘭東店」(室蘭市東町1丁目8-1)。日本製鋼所が自社土地を利用して2000年に開発した、弥生ショッピングセンター内にあったDCM弥生店跡に居抜き出店する。しかし、この場所、斜め前がイオン北海道(本社・札幌市白石区)の「マックスバリュ室蘭東店」(東町1丁目12-17)。ホームセンターとスーパーなら相乗効果があったが、スーパーとスーパーでも相乗効果があるのだろうか。
「トライアル」と「マックスバリュ」の眼前対決は、札幌市手稲区新発寒でも繰り広げられている。「マックスバリュ新発寒店」の近くに「トライアルスマート新発寒店」が出店したものだが、両店舗は背中合わせの勝手口対決で、車の動線が違うため、内情は分からないにしても両立しているように見える。
しかし、今回の室蘭の場合は、動線も同じでまさに玄関対決。両社は物流共同化も進めており、そうなれば表は競争、裏は協調の典型的なケースになりそう。「マックスバリュ」VS.「トライアル」の室蘭合戦は、既成概念のスーパー対決になるのか、新たなステージのシン・スーパー対決になるのか。消費者の心に響くような競争をしてほしい。