国分北海道(本社・札幌市中央区)の2023年12月期決算は、売上高984億9700万円、経常利益7億8800万円となり、前期比8・2%の増収、33・6%の経常増益になった。同社が、2024年4月5日に札幌市中央区のグランドメルキュール札幌大通公園(旧ロイトン札幌)3階ボールルームで開催した、2024年度国分北海道方針説明会で明らかにした。(写真は、方針説明をする国分北海道・諏訪勝巳社長)
2023年12月期は、同年5月のコロナの5類移行により、インバウンドと人流が戻り、観光需要と業務用ルートが回復。スーパーマーケットを中心とした量販業態の販売も好調だったことが、売り上げを押し上げた。また、利益面では、商品値上げに伴う価格転嫁と収益改善の取り組みが寄与したほか、物流コスト高騰を受けて物流委託業者と収益改善に取り組んだことが奏功した。
新規取り引きでは、エスコンフィールド北海道を運営するファイターズS&E(本社・北広島市)のほか、9年ぶりにサッポロドラッグストアー(同・札幌市東区)との取り引きも再開した。また、同年4月からリラィアブル(同・釧路市)の大型店舗「コーチャンフォー」の取り引きを開始、現在は8店舗に納入。同年9月からは、期間限定でJR札幌駅構内でオープンした「BEERSTAND SORACHI」への「サッポロSORACHI1984」樽生ビールの納入も開始した。売上高の部門別構成比は、酒類が41・8%(前期40・5%)、冷食・チルド・デリカが13・9%(同14・5%)、食品が39・4%(同40・3%)。
2024年12月期は、前年度と同様、アークス(本社・札幌市中央区)グループ向けにオンラインショップの運営をサポートするほか、ダイイチ(同・帯広市)向けでは、「すすきの店」出店に伴う商品・物流の連携を強化、同店舗向けの食や酒のオリジナル商品開発にも取り組む。
低温事業では、賞味期限が短く道内販売できなかったカネテツデリカフーズ(同・神戸市東灘区)の「ほぼカニ」を、国分北海道グループ会社、T&Dロジテム(同・札幌市東区)のフロチル(冷凍で保管・輸送した商品をチルドで販売すること)機能を活用、販売期間を長くして小ロット販売できるようにする。また、函館支店に各メーカーが利用できるサテライトオフィスも設置する。経常利益は、2023年12月期比18%増の9億3000万円を見込む。