トライアルホールディングス(本社・福岡市東区)が、2024年3月21日に東京証券取引所グロース市場に上場、新株発行などで約388億円を調達した。北海道でも、新規出店や既存店改装、物流センター新設、プロセスセンター新設などが計画されているもようだ。(写真は、「スーパーセンタートライアル幕別店」)
トライアルホールディングスの子会社トライアルカンパニーは、2010年にカウボーイを吸収合併して北海道に進出。当初は、カウボーイ店舗を承継した大箱が多かったが、その後、店舗新設や「イトーヨーカドー旭川店」跡への居抜き出店など店舗数を増やし、2024年2月末現在で道内29店舗となっている。店舗数は、既に地場スーパーの北雄ラッキーの26店舗(衣料専門店除く)、イトーヨーカ堂と資本業務提携している、ダイイチの23店舗を超える規模となっている。
カウボーイを吸収合併して北海道に進出してきた当初は、単なるディスカウンターとして、業界的には注目を集めなかった。居抜き店舗が中心で店舗の清潔感も薄く、生鮮や惣菜も品質的に十分とは言えなかった。新設店舗を増やし始めた2014年頃も、多店舗化に個店のオペレーションが追いつかず、その時点でも安売りのイメージが先行していた。
潮目が変わったのは、生鮮強化に本腰を入れ始めた2020年頃から。生鮮とともに惣菜も強化、店内POPにも工夫を凝らすようになって、店舗イメージは徐々に変化。今年は、北海道上陸から14年だが、ディスカウンターでありながら、ディスカウンターのイメージがないスーパーマーケットとして道民にも浸透した。
東証グロース上場を機に、知名度や信用力も高まり、株主優待などで買い物客のストアロイヤルティもより高まっていくだろう。「年間4~5店舗の出店を基本に出店地域をリサーチしている。今年1月に出店したトライアルスマート琴似店をモデルに、都市型マーケットも攻める」(トライアルカンパニー執行役員)と強気を崩さない。アークス、イオン、コープさっぽろの3極体制と言われて久しい道内スーパーケット市場の岩盤を穿つ存在になりつつある。