アークス(本社・札幌市中央区)グループのラルズ(同・同)とイオン北海道(同・同市白石区)のスーパーマーケット部門の売り上げ競争が、デッドヒートしている。2023年2月期第2四半期では、イオンのスーパーマーケット部門は741億8900万円、ラルズは726億100万円とその差は約16億円。イオン北海道のスーパーマッケット部門は、収益認識に関する会計基準の適用前の金額のため、実際にはもっと僅差の可能性がある。札幌発祥のスーパーマーケットは、抜きつ抜かれつの戦いを繰り広げている。(写真は、イオン北海道が展開する「マックスバリュ音更店」)
(写真は、ラルズが展開する「スーパーアークス山鼻店」)
イオン北海道は、2020年3月に、スーパーマーケット事業を展開していたマックスバリュ北海道を吸収合併した。マックスバリュ北海道の源流は、1961年3月設立の札幌フードセンター。同社は2000年にジャスコ(現イオン)系スーパーマーケット事業を展開していた北海道ジャスコと合併、マックスバリュ北海道になった。一方、ラルズの源流は1961年10月設立のダイマルスーパー。商号を大丸スーパーに変えた後、1989年3月に金市舘の営業部門と合併し、ラルズが誕生した。
2000年以降、ラルズとマックスバリュ北海道は、互いに売り上げを競い合ったが、マックスバリュ北海道は、ラルズの売り上げを超えられなかった。転機となったのは2020年2月期。この期の決算は、ラルズ1292億2000万円、マックスバリュ北海道1335億700万円となり、初めてマックスバリュ北海道が、ラルズの売り上げを上回った。
2020年3月のイオン北海道との統合後の初めての決算となった翌2021年2月期は、旧マックスバリュ北海道部門の売り上げが1381億1700万円、一方、ラルズは1408億3000万円となり、再びラルズが上回った。2022年2月期も、ラルズ1418億4400万円、旧マックスバリュ北海道部門1385億8700万円と、ラルズの優位が続いた。ただし、この期から始まった収益認識に関する会計基準の適用後を見ると、ラルズは1364億8000万円になっている。イオン北海道は、部門別の適用後の開示をしていない。
2023年2月期からは、様相が変わる。ラルズは収益認識の適用後開示に一本化、イオン北海道は部門別売上高について、適用前開示を続けており、その結果、ラルズ1408億2000万円、旧マックスバリュ北海道部門は、1416億1500万円となって逆転した。この流れは、2024年2月期第2四半期でも続いている。収益認識会計基準の適用前と適用後には、4~5%程度の差があることから、ラルズの適用前を推計すると750億円を超え、ラルズ優位という状況とも言える。
イオン北海道は、2023年10月25日、ラルズの本社近くに「マックスバリュ山鼻店」をオープンさせた。ラルズ社内には、対抗策の大号令が掛かったという。共に1961年創業の札幌発祥スーパーマーケット同士、売り上げを競い合うライバル関係は今も続いている。