2022年7月3日に閉店した「イトーヨーカドー函館店」(函館市美原1丁目3-1)跡を利用した新しい商業施設が、2024年中に誕生しそうだ。建物の一棟貸しの需要が少ないとみて、複数の区画に分割してテナントリーシングを行っている。(写真は、2022年7月に閉店した「イトーヨーカドー函館店」)
「イトーヨーカドー函館店」は、1980年に開業した3階建てのGMS(大型スーパー)で、地下1階が食品と趣味のフロア、1階がファッションのフロア、2階が子ども・くらしのフロア、3階は屋内駐車場。店舗面積は約4794坪(1万5658㎡)。周辺の競合店の影響や地域の消費者ニーズに対応した品揃えが難しくなってきたことなどから、昨年7月3日に40年を超える営業に区切りをつけた。
土地建物は、地元の不動産事業者、一位物産(函館市)が所有している。閉店時には、土地建物に、債務者一位物産、権利者イトーヨーカ堂で債権額約33億円の抵当権、同じく債務者一位物産、権利者イトーヨーカ堂で債権額5億円の抵当権仮登記が設定されていた。33億円は保証金・敷金としてイトーヨーカ堂が一位物産に差し入れている資金の担保、5億円は金銭消費貸借契約によるものだったが、いずれも閉店後の2022年9月末に弁済しており、現在、土地建物はいわゆる“まっさら”な状態。
一位物産は、「イトーヨーカドー函館店」閉店後に、後継テナントをリーシングする目的で、某コンサル会社と提携していたが、先方の事情により解消。新たなコンサル会社のもとでリーシングを進めている。来年中には、複数テナントによる新しい商業施設が誕生しそうだ。