コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、宅配トドックの新人配達担当者をモデルにした、電子コミック「なぎ風をとどけて」の連載を3月20日から専用ウェブサイトで開始した。配達担当者と利用している組合員との間に、実際にあった心温まるエピソードをベースにしており、宅配トドック事業が果たしている役割や新人配達担当者が成長していく姿を描く。(写真は、3月22日に行われた記者会見後の記念撮影)

 宅配トドックは、1981年に札幌市民生協(現コープさっぽろ)が開始した協同購入が前身で、2006年に戸別配達のトドックとなり、現在に至っている。週に1回、組合員利用者の注文を受けて、食品や日用品、雑貨を配達担当者が玄関先に戸別配達しており、利用者は今年3月現在で約46万軒。北海道の5軒に1軒が利用している。配達担当者は約1260人、配達トラックは約1300台。

 配達担当者は、1日当たり60~80軒に商品を届けるが、1軒当たりの訪問時間は約6分間。この6分間の間に、配達担当者は商品を届けるとともに、利用者が高齢者の場合は安否確認など見守り活動も行う。そうした中で生まれたホっとするようなエピソードを集めた漫画を連載する。

 漫画制作は、有限会社エアーダイブ(本社・札幌市中央区)が担当。同社は、北海道で唯一の漫画出版社で、2008年に出版した、北海道に実在する小児脳神経外科医をモデルにしたドキュメンタリー漫画「義男の空」が代表作。今回、エアーダイブの担当者が実際にトドック車両に乗って宅配担当者に同行、6分間の“ドラマ”を体験して漫画を描いている。

 舞台は小樽で、小樽の景観を折り込みながら、架空の新人配達担当者「小松岡政広君」が利用者との触れ合いを通じて一人前になっていく姿を描く。1話25ページで3ヵ月に1回連載する。6話を連載する予定で、60万部発行しているコープさっぽろの広報誌「ちょこっと」でもさわりの部分を掲載、スマートフォンでQRコードを読み込めば、続きが読めるようにしている。

 コープさっぽろが、漫画制作に取り組むのは初めてで、ウェブ連載後には単行本化を検討している。佐藤政広宅配事業本部長は、「組合員と配達担当者との触れ合いが宅配トドックのベースになっていることを、電子コミックを通じて若年層にも知ってもらいたい。配達担当者の採用にも繋がればと思う」と話している。


15人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。