コストコホールセールとIKEAの流通外資大手2社の出店情報が札幌圏を駆け巡っている。コストコは札幌2号店を、IKEAは札幌圏に初出店を検討しているというもので、商業施設の不動産関係者は出店候補地のプレゼンも積極的に進めている。ただ、現時点では出店を決定したという情報があるものの出店場所は明確には決まっていない模様だ。(写真は、コストコ札幌倉庫店)
本サイトは、2年前の7月10日付でコストコ札幌2号店の出店について報道したが、その後出店場所と目された札幌市手稲区の土地はホームセンター大手、LIXILビバ(本社・埼玉県上尾市)が大型店を建設することになり、4月オープンを目指して現在建設が最終段階を迎えている。
コストコホールセールは5年前に札幌市清田区美しが丘の国道36号線沿いに札幌1号店の「札幌倉庫店」をオープンしている。この時も数年前から出店の噂が広まっていたが、大手ゼネコンの遊休地を利用することで立地場所が早期に確定した。
札幌2号店の出店情報は、3年前の秋口から出回るようになり一時は道内の食品流通業界に確定情報として伝わり、「札幌の東と西を抑える戦略だ」(某大手流通業トップ)として手稲区方面の出店が濃厚とされた。
しかし、その後もコストコ2号店の正式な立地場所は決まらず、現時点でも「出店確定、立地未定」の状況が続いているものと見られている。
コストコホールセールは、食品、雑貨などを備えた米国生まれの会員制大型店で、1999年に福岡県糟屋郡久山町に1号店を出店して以来、現在は札幌店を含めて全国13店舗を展開している。今年3月には広島、北九州に出店、また夏には中部空港の近くにも出店するなど出店意欲は旺盛だ。
コストコホールセールの出店ペースは2011年から毎年2~3店舗で推移しており、14年以降に札幌圏での2号店の立地選定が本格化する見通し。
コストコの多くの店舗が高速道路のインターチェンジ付近に立地されており、現在の札幌1号店である「札幌倉庫店」も道央道北広島ICの近くに位置する。2号店は、札樽道と道央道の結節点である札幌JCT(ジャンクション)近くになる可能性もある。
一方、世界的なホームファニシングのIKEAにも数年前から札幌圏での出店が取り沙汰されている。06年に第一号店を千葉県船橋市にオープンして以降、現在までに関東や関西に出店、昨年4月には福岡新宮店をオープンさせた。財界さっぽろ3月号(2月15日発売)には、札幌副都心の新さっぽろ(厚別区)をターゲットに出店候補地を探しているという記事が掲載され札幌市民の関心も高まっている。
IKEAの店舗面積はいずれも3万㎡級で、札幌市内ではこうした大型店の出店には規制があるため同一敷地内で建屋を1万㎡以下に小分けするか、あるいはこうした規制のない石狩市や北広島市で出店が予測される。
一部には、埼玉県三郷市新三郷のららシティのようにコストコとIKEAの店舗を併設した出店形態になるのでは、という見方もあり、石狩市の旧ダイエー出店予定地と目された用地も浮上している。
コストコやIKEAには、根強いファンがいて一般的な消費者と違ったフリーク層を掴んでいるのが強み。コストコ2号店とIKEA初出店が本決まりとなれば、道央圏の消費動向は大きく変わりそうだ。