サッポロドラッグストアー(本社・札幌市)は、札幌市中央区北4条東1丁目の高層賃貸マンション1階に出店していた「サツドラJR院前店」を閉店した。2008年に開業したコンビニエンスストアタイプの実験店舗だったが、一定の運営ノウハウは吸収できたとして今月10日で営業を終了、今後コンビニタイプの出店を継続するかどうかは未定としている。(写真は、閉店したサツドラJR病院前店)
「サツドラJR病院前店」は、創成川東の地上31階建て高層賃貸マンション、パシフィックタワー札幌1階部分約165㎡の面積を使用して営業していた。風邪薬や医薬品とともに弁当なども用意し、ドラッグストアとコンビニの融合小型店を目指していた。
しかし、周辺は賃貸マンションが多くオフィスが少なかったため集客に結び付かず採算が合わなかった。
ドラッグストアは、コンビニのような日配品が少なく店舗運営コストも低く設定できるが、コンビニ商品を揃えると消費期限の短い商材を高回転させなければならないうえ廃棄ロスも発生。さらにATM(現金自動預け払い機)や公共料金の支払いなど利便性を確保しなければ大手コンビニに対抗していくことは難しい。
同社では、この店舗をコンビニ型店舗の実験店舗と位置付けていたため、運営ノウハウは一定程度吸収できたとして閉店を決めた。
同社は、店舗面積によって「シティードラッグ」(50~150坪)、「ドラッグストア」(150~250坪)、「スーパードラッグ」(250~350坪)、「メガドラッグ」(350~700坪)の4つのフォーマットを立地に合わせて選択して出店している。都市型コンビニタイプの店舗は、第5のフォーマットとして実験していたものだが、今後の出店は未定。
2012年2月期の売上高441億円のうち、食品分野が154億円(35%)と最も多く、ビューティ96億円、ヘルスケア83億円と続く。ドラッグストア業界の中で食品のウエートが高いのが同社の特徴。