十勝地区でディスカウントスーパー(DS)集積の気配が強くなってきた。旭川地区や釧路地区では、DSの代表格とされる「ザ・ビッグ」や「トライアル」が複数店舗を構え、価格競争が激しい。十勝地区はDS店舗が少なく価格競争は比較的緩やかだが、新たにDS店舗の出店となれば、旭川、釧路に続くDS集積地になる可能性がある。(写真は、イオン北海道が展開する食品スーパーの出店場所=音更町木野東11丁目)

 十勝地区の食品スーパー業界で目下、話題になっているのが、イオン北海道(本社・札幌市白石区)が河東郡音更町木野大通東11丁目で11月に出店する新店舗の業態。延べ床面積約1024坪(3381㎡)、売り場面積約773坪(2554㎡)の食品スーパーということは明らかになっているが、業界では「マックスバリュ」なのか、「ザ・ビッグ」なのかに強い関心が寄せられている。イオン北海道は「業態は未定」としているが、仮にDSの「ザ・ビッグ」になると、十勝の食品スーパー業界は一気に価格競争の時代に巻き込まれそう。

 イオン北海道は、釧路や旭川で「ザ・ビッグ」をそれぞれ3店舗展開しており、札幌圏を除き複数業態を展開しない「オンリー・ビッグ」の地区にしている。旭川ではさらに店舗を増やすことになっている。十勝地区には、「いちまる」を承継して屋号転換した「マックスバリュ」が6店舗あるため、「オンリー・ビッグ」の観点からいけば、木野の新店舗は「マックスバリュ」の可能性が高い。しかし、「ダイイチ音更店」の目の前への出店となるため、「ザ・ビッグ」で価格訴求を前面に打ち出すことも想定される。

 さらにここにきて、トライアルカンパニー(本社・福岡市東区)が、「スーパーセンタートライアル帯広東店」(帯広市)に続き、十勝2店舗目の出店も取り沙汰されるようになった。幕別町に土地を取得した話も伝わってきている。「トライアル」は、旭川と釧路で3店舗体制を構築しており、十勝2店舗目は早晩、現実のものとなりそう。小型とはいえ、低価格が売りの全国フランチャイズ(FC)チェーン「業務スーパー」も現在の1店舗だけでは終わりそうにない。近づきつつあるDS集積の気配、最初の答えは間もなく出る。



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