コープさっぽろ(本部・札幌市西区)と良品計画(本社・東京都豊島区)は2月24日、「宅配トドック」の戸配機能を活用して「無印良品」120品目の取り扱いを2022年3月後半から始めると発表した。全道各地の「宅配トドック」利用者約43万世帯に「無印良品」を届けられるようになる。3年後には取扱品目を1000以上に拡大する予定。(写真は、「宅配トドック」を利用した「無印良品」販売開始の記者会見。左から2人目が良品計画・堂前宣夫社長、3人目がコープさっぽろ・大見英明理事長)
コープさっぽろと良品計画は、以前から商品開発やマーケティングノウハウなどについて人材交流を実施してきた。昨年11月にオープンした「コープさっぽろやまはな店」(札幌市中央区)には、2階に「無印良品」が出店するなど協業を強めている。今回の「宅配トドック」を利用した「無印良品」の販売も、こうした協業拡大の一環。
手始めに取り組むのは、食品やスキンケア用品、靴下・タオル類、調理小物、収納用品など120品目。両者担当者が、日常生活に役に立つ商品を絞り込んだ。具体的には、チェコの手編みの靴下からヒントを得たオーガニックコットン100%の「足なり直角靴下」(税込み230円)、年間2800万個を販売している全50品目の「素材を生かしたカレー」の人気上位14品目(同249円〜)、岩手県釜石の洞窟から湧き出る天然水をベースにしたスキンケア商品の敏感肌シリーズとエイジングシリーズ(同550円〜)など。
コープさっぽろは、「宅配トドック」利用者に配布するカタログの3月第4週企画に「無印良品」の専用カタログを折り込み、注文を受け付ける。「無印良品」の専用カタログは年4回発行、専用アプリからでも注文できるようにする。今回は在庫を持たず注文を受けてから取り寄せるため、届くまでに2週間が必要。「無印良品」の実店舗は現在、札幌市内8店舗、旭川市内2店舗のほか函館、小樽、千歳の各市内1店舗の計13店舗。店舗がない地域の「宅配トドック」組合員も、気軽に「無印良品」を購入することが可能になる。
コープさっぽろの大見英明理事長は、「今後3年間で物流機能高度化投資を行うので、『無印良品』の取扱品目を最低でも1000以上にしたい」と話す。また、良品計画の堂前宣夫社長は、「きめ細かなネットワークを持っている『宅配トドック』と一緒に届けられるのは大きな魅力。『やまはな店』のように出店に関しても一緒に進めたい」と語った。
今回の協業は、コープさっぽろが持つ「宅配トドック」の物流プラットフォームを利用したもので、コープさっぽろとしては初めてコープ以外の商品を継続的に扱うケースになる。「このプラットフォームを利用したいという相談は複数ある」(コープさっぽろ執行役員小松均宅配本部長)としており、「無印良品」以外にもこうした“相乗り”が広がりそうだ。なお、コープこうべ(本部・神戸市東灘区)も「無印良品」の日用品のみを扱っている。