「MARUSHO」の屋号で知られる地域密着型の街ナカスーパー「丸正食品」を展開している有限会社丸サ佐藤商店(札幌市中央区)は、運営している2店舗を9月30日(木)で閉店する。2店舗とも別々の法人に営業譲渡、一時閉店の後、それぞれ別の屋号で営業を再開する。
(写真は、9月30日で閉店する「丸正食品南7条店」=上と「同北34条店」)

「丸正食品」は、関東の「丸正食品」とは別法人の札幌丸正チェーン商事(札幌市西区)が、札幌市内で展開していたボランタリーチェーン。コンビニのフランチャイズチェーンと違い加盟店の運営の自主性が認められ、共同仕入れによって仕入れ単価を引き下げられるメリットがある。

 札幌で2000年頃まで10数店舗の「丸正食品」があったが、競争激化で徐々に店舗数が減少。2008年には札幌丸正チェーン商事が自己破産、ボランタリーチェーンは解消された。加盟店だった丸サ佐藤商店は、全国的なボランタリーチェーンを運営している全日本食品(本社・東京都足立区)の「全日食チェーン」に加盟して運営を継続、「丸正食品」の屋号で「南7条店」(中央区南7条西8丁目1032、スリータワー南7西8ビル1階)と「北34条店」(北区北33条西4丁目2-1、北34条ターミナルビル地下1階)の2店舗の運営を継続してきた。

 2店舗では、魚の切り身や刺身、精肉加工、惣菜などをインストア生産、地域の買い物客ニーズに応えてきた。「南7条店」は約30年間、「北34条店」は約16年間営業を続けてきたが、「南7条店」はススキノ関係者の利用が多く、コロナ禍の影響を大きく受けて客数が減少。「北34条店」も、地下鉄利用客の減少などの影響を受け閉店、営業譲渡を決めた。

 営業譲渡先は、「北34条店」が全日本食品の子会社スーパーエース(同・札幌市東区)で、10月8日(金)から「スーパーエース北34条店」として再開する。「南7条店」の営業譲渡先は非公開だが、10月下旬か11月初旬には屋号を変えて再開する。両店舗の従業員は、営業譲渡先が引き続き雇用する。

 丸サ佐藤商店の佐藤友保代表取締役は、「時代の波に乗れなかった。これまで利用していただいたお客さまに感謝するとともに、閉店を申し訳なく思う。ただ、これ以上継続すると、多くの方々にさらに迷惑をかけることになる。余力のあるうちに閉店、営業譲渡することが最良の選択と考えた」と話した。


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