札幌市白石区の地下鉄白石駅の駅チカで、小型食品スーパー跡にコンビニエンスストアが居抜き出店した。コロナ禍で苦戦しているコンビニは、スーパーの後継店舗として商機を掴めるか。(写真は、2021年5月28日にオープンした「セブンーイレブン白石バスターミナル前店」)

 地下鉄白石駅チカの第1小竹ビル1階で2020年1月31日、36年間の営業を終了したのは、イオン北海道(本社・札幌市白石区)の「札幌フードセンター白石店」(東札幌3条6丁目1—2)。冷凍設備などの老朽化が閉店理由だった。

 その店舗跡に昨日(21年5月28日)、「セブンーイレブン白石バスターミナル前店」がオープンした。面積は半分の約70坪ほどに縮小しているが、一般的な「セブンーイレブン」店舗よりも大きく、居抜き出店のためコンビニ“らしくない”店舗になっている。食品スーパーは、バックヤードを備えて惣菜商品のパック詰めなど後方作業が必要だが、コンビニは基本的に後方作業が必要なく、店舗運営の固定費はスーパーより少なくて済む。店舗面積が縮小できれば、スーパー店舗跡への居抜き出店はコンビニにとって選択肢となるが、今回はそれが可能となった。

「セブンーイレブン」は、道内1000店舗体制を急いだ2018年に「居抜き出店」を増やしたが、現在は店舗を新設して出店するケースがほとんど。今回の「白石バスターミナル前店」は久々の「居抜き出店」で、スーパー跡への出店は極めて珍しい。コロナ禍でコンビニからスーパーへの消費回帰が進んでいるが、今回の「セブンーイレブン」はこうした消費トレンドを変えられるか。

 なお、地下鉄白石駅チカには、「セブンーイレブン」が既存の「地下鉄白石駅前店」と合わせて2店舗、「ファミリーマート」は「地下鉄白石駅前店」、「南郷通1丁目店」、「白石ガーデンプレイス店」、「白石バスターミナル前店」の4店舗、「ローソン」は駅ナカの「S札幌地下鉄白石駅」、「セイコーマート」は「地下鉄白石駅前店」があり、7店舗がひしめく。また、小型食品スーパーとして「東光ストア白石ターミナル店」(24時間営業)がある。
※2021年5月31日記事一部修正しました。ファミリーマート店舗数3店舗→4店舗。



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