アークス(本社・札幌市中央区)の副社長に古川公一専務(64)が昇格する。同社は、三浦紘一会長(82)と横山清社長(85)の2人が代表権を持つ体制だったが、5月25日の株主総会で三浦会長は代表権を返上するため、代表権者は横山社長のみとなる。そうした中で、古川氏が副社長に昇格、ナンバー2としての役割が今まで以上に高まる。(写真は、2021年2月期決算について説明するアークス・古川公一取締役専務執行役員=中央)

 アークスの取締役は、社外取締役を含めて12人。代表権を持つ三浦会長と横山社長以外は、グループ各社の社長らが取締役執行役員として名を連ねているが、古川氏は取締役専務執行役員で唯一の役付き執行役員。

 古川氏は、1998年10月に北海道銀行(本店・札幌市中央区)からラルズ(本社・同)入社。2002年11月のアークス誕生とともに執行役員に就任、13年5月に取締役常務執行役員、19年5月に取締役専務執行役員に就任した。ラルズの取締役管理部門兼アークス担当の役職も持つが、ラルズの取締役としての序列は7番目で、ラルズのカラーを抑えたアークスの専業役員として役割を果たしてきた。

 今回、三浦会長が代表権を返上して取締役会長に退き、古川氏が副社長に昇格することは、アークスが次のステージに向かう布石と捉えることができる。13日に札幌市中央区の札幌パークホテルで行われた2021年2月期決算発表に合わせて、アークス取締役の役職変更や子会社の役員異動について発表した古川氏は、自身の副社長昇格を問われ、「正式決定前だが」と前置きしてこう答えた。
「従来もグループ各社の調整や仲立ち、説得などグループ全体のシナジーをどう上げていくかに取り組んできた。それはこれからも変わらないが、役職が変わるので身を律してガバナンス、コンプライアンスをさらに意識して副社長に恥じないようにしたい」
 副社長昇格は、5月25日の株主総会後の取締役会で正式決定となるが、古川氏が代表権を持つ可能性も残されている。



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