コープさっぽろは、電力使用量をコントロールできるBEMS(ビルディング・エナジー・マネジメント・システム=略称ベムス)を92店舗に導入する。店舗の電力使用量をパソコンやスマートホンの画面上で見える化して店舗に設置されている機器ごとの電力消費も制御できるシステム。投資額は3億3000万円で、これだけ大規模にBEMSを導入して電力削減に取り組む食品スーパーは全国で初めて。(写真は、コープさっぽろが店舗に導入するBEMSのコントローラーを持つパナソニックES産機システムの土屋康之取締役)
コープはさっぽろは、昨年7月から、店舗の電力使用量を照明や冷ケースなど個別機器ごとにモニタリングして見える化する実験を岩見沢東店(岩見沢市東5条東12丁目)で実施してきた。また、えべつ店(江別市元江別)でも同様の実験を行い、成果が確認できたことから全店舗に導入することにした。
電力消費のモニタリングと系統の制御もできるのがBEMSで、各店舗で電力使用量をコントロールしたり本部で一元的に管理することもできる。
飲料やデリカ部門の冷ケースを夜間停止する機能のほか来客数に応じて換気ファンをC02センサーで制御する機能も組み込んでいる。投資額は3億3000万円でそのうち国の補助が3分の1。
各店舗に設置するのは、パナソニックES産機システムとオムロンフィールドエンジニアリング北海道の装置。店舗の規模によって設置する装置の数は違うがコープさっぽろの標準店舗では1店舗につき40~50ヵ所になるという。
9月末から湯川店(函館市湯川町1丁目)とルーシー店(札幌市白石区栄通18丁目)を皮切りに全107店舗のうち92店舗に導入する。
コープさっぽろの大見英明理事長は、「今回のBEMSによって店舗の電力消費量を5%削減できる。コープは、年間29億円の電力を店舗向けに使っているが、5%は1億5000万円に当たり電力料金がこのままだとすると2年間で投資を回収できる」と語った。
国は冬場の北海道の電力使用量の節電目安として10%減を示しているが、コープさっぽろではBEMSと店舗照明等のLED化で店舗電力使用量10%削減を実現できるとしている。
なお、今回のシステムは地域の電力事情に応じてピーク時の使用量を抑える必要性があるときにも、電力使用を削減しながら各店舗の最適な機器別の電力配分を実現できる機能もある。