旧マックスバリュ北海道社長で、イオン北海道(本社・札幌市白石区)副社長の出戸信成氏(55)が退任する。2021年5月18日開催予定のイオン北海道株主総会で正式に退任する。(写真は、2015年10月1日の「いちまる」承継日に「いちまるフードプライス店」の店頭に立つ出戸信成氏)
出戸氏は、1965年11月生まれ。旧マックスバリュ北海道の前身である札幌フードセンター創業者の孫に当たり、大学卒業後に食品製造会社を経て、1994年4月に札幌フードセンターに入社。同社は2000年10月に北海道ジャスコと合併してマックスバリュ北海道に社名を変更。その後、ジャスコ(現イオン)出身者の社長が続いたが、山尾啓一社長の急逝で2012年11月に社長に就任。
出戸氏の社長就任当時は、業績が低迷し、「毎年社長が変わるスーパー」(業界関係者)と言われるほどだった。出戸氏は社長就任に際して、「マックスバリュ店舗の再強化」と「格安スーパー『ザ・ビッグ』の地域密着化」を掲げ、近い将来の年商1000億円達成を掲げた。その後、「ザ・ビッグ」が売り上げの牽引役となり業績が徐々に回復、社内の雰囲気も大きく好転した。「ダイエー」の食品スーパー部門や「いちまる」承継で、売上高は16年2月期に1000億円を突破。合併するごとに利益率が低下していたジンクスも解消して、20年3月のイオン北海道とのへ経営統合を迎えた。出戸氏は副社長執行役員管理本部長に就任したが、代表権は付かなかった。
今回、4月9日の決算発表に合わせて出戸氏の任期満了による退任も発表された。出戸氏は、リアルエコノミーの取材に、「マックスバリュ社長時代に策定した経営計画を達成した19年度で、私自身は一定の区切りだと認識していた。新生イオン北海道がスタートして1年、新たに中期計画も始まることからこのタイミングの退任を決めた」と話している。なお、今後については「リセットするので、何も決めてない」としつつも、「21年間の上場会社役員を務めた経験を生かしていきたい」と述べた。