「小さな葬儀」需要に対応、コープさっぽろ・むすびすがWeb葬儀の合弁会社設立

流通

 コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、Webによる葬儀受注が全国的に増えていることに対応、首都圏でWeb葬儀を展開しているむすびす(本社・東京都江戸川区)と連携協定を締結、合弁会社を設立することにした。新会社では道内の組合員向けにWeb葬儀のプラットフォームを構築する。(写真は、2021年2月18日、「フリエホールつきさむ」で行われた連携協定の調印式=左からむすびす・中川貴之代表取締役、コープさっぽろ・大見英明理事長、めもるHD・村本隆雄代表取締役)

 第1弾として札幌圏で家族葬を中心に展開しているめもるホールディングス(本社・恵庭市)が、このプラットフォームのパートナー企業となり、Webで受注した葬儀のリアル斎場を提供する。

 コープさっぽろは、1996年から葬儀事業を開始、分かりにくかった葬儀の価格体系を透明化するなど業界に一石を投じてきた。2012年には旧コープ店舗を改装して「フリエホールつきさむ」(札幌市豊平区)をオープンさせ、現在2施設で家族葬を中心に年間300件の葬儀を行っている。

 コロナ禍にあって葬儀の在り方が大きく変化しており、大規模な葬儀は減少傾向で、替わって近親者による小さな葬儀が増えている。コープさっぽろはこうした小さな葬儀需要に応える新しい葬儀様式の提案と全国的に増えているWeb葬儀受注に対応するため、むすびすと合弁会社を設立することにした。

 新会社名は「つなぐ」で資本金は1000万円、むすびすが51%、コープさっぽろが49%を出資、3月中に設立する。新会社では、むすびすが首都圏で展開しているWeb受注のシステムをベースに葬儀プラン等を盛り込んだプラットフォームを構築する。
 新会社がWeb受注を行い、実際のリアルな葬儀を行うために道内一円でパートナーとなる葬儀会社を募る。その第1号パートナーがめもるHD。同社は「メモリアルむらもと」、「いちえ北海道」、「波多野写真家館」、「テラスデザイン」、「エニワン」からなるワンストップの葬儀会社で、家族葬「ウィズハウス」など札幌圏中心に16施設を展開しており、新会社の受注案件のリアル斎場となる。今後、他地域でもパートナー企業を募り、全道で200ヵ所程度の斎場を確保したい考え。

 コープさっぽろが、Web葬儀に踏み込むことにしたのはユニクエスト(本社・札幌市西区)が「小さなお葬式」と命名したWeb葬儀受注を全国的に展開、道内でも増え始めたことに対抗するため。組合員のWeb葬儀需要に対応、合わせて道内葬儀会社との緩やかな連携体制をつくることも目指す。
(写真は、コープさっぽろの提案する新しい家族葬の一つ)

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER