コープさっぽろ(本部・札幌市西区)が子会社のコープフーズ石狩工場(石狩市新港西2丁目754ー1)で建設を進めていたオンサイト発電施設が完成、16日に関係者約20人が出席して竣工式と見学会が行われた。自家発電と排熱を利用するエネルギー施設で、エネルギーコスト低減とCO2排出量削減、停電時のBCP(事業継続計画)にも対応できる。(写真は、コープフーズ石狩工場内で稼働を始めたオンサイト発電施設)
コープさっぽろは、2018年9月の胆振東部地震によるブラックアウトで全工場が2日間稼働できず、コープフーズ石狩工場も弁当、おにぎり、惣菜の生産を停止せざるを得なかった。このため、停電時でも工場の稼働を継続できる電源として東京都市サービス(本社・東京都中央区、伊藤忠エネクス65・4%、東京電力エナジーパートナー33・4%出資)のオンサイト発電施設に着目、19年半ばからコープフーズ石狩工場内で建設を進めてきた。
同工場では、これまで系統電力と重油を利用してきたが、オンサイト発電施設によって電力を自前でまかなうことができるようになった。LNG(液化天然ガス)を使ったコージェネレーション(熱電併給)施設で、出力は1000kW。排熱を回収して工場の加熱用に利用、余剰電力は王子・伊藤忠エネクス電力販売(本社・東京都千代田区)に売電する。施工は新菱冷熱工業(同・同都新宿区)。
同工場の電力・重油の年間使用料は約1億5000万円で、今回のオンサイト発電施設によって2割のコスト削減に繋がり、CO2排出量も4割削減できる。施設は、東京都市サービスが約4億円を投じて設置し、運転・維持管理も行う。同社の投資回収は約5年を予定している。
エネルギーコスト節減やCO2排出量削減、BCP対応に繋がるオンサイト発電施設は、道内の食品工場を中心にニーズは高いとみられ、コープさっぽろ子会社のトドック電力(本社・札幌市中央区)、東京都市サービス、王子・伊藤忠エネクス電力販売の三者によるワンストップサービスとして道内市場の開拓も進めていく。
(写真は、コープフーズ石狩工場内に設置されたオンサイト発電施設の建屋=左)