まるで「空き店舗ハンター」のように虎視眈々と空き店舗を狙い、すかさず居抜き出店するケースが増えている。リユースショップの「セカンドストリート」と子ども服・ベビー服・ベビー用品の「西松屋」がそれ。両社ともコロナ禍でも売り上げを伸ばしている。まさに生き馬の目を抜く流通小売り業界の一端が垣間見える。(写真は、「TSUTAYA宮の森店」跡に入る「セカンドストリート札幌宮の森店」の改装工事)

 ゲオホールディングス(本社・名古屋市中区)の事業子会社、セカンドストリート(同・同)。衣料や服飾品、家具、家電などの総合リユースショップで、全国に約670店舗を展開している。北海道には43店舗あるが、コロナ禍で消費者の節約、生活防衛志向が高まり追い風が吹く。同社は、今後もリユース市場の成長は続くと判断、2023年3月末までに全国800店舗体制を築く計画。
 
 というわけで、目下全国的に店舗を増やしている。北海道では、9月20日に移転のため閉店した旧「サツドラ美しが丘南店」(札幌市清田区)跡をすかさずゲット、11月14日(土)に「セカンドストリート美しが丘南店」として出店。また、9月10日に閉店した「TSUTAYA宮の森店」(同市中央区)跡にも11月27日(金)に「セカンドストリート札幌宮の森店」を出店する。
 
 西松屋チェーン(本社・兵庫県姫路市)が展開する「西松屋」は、20年9月末現在で全国1007店舗、北海道には46店舗ある。こちらもコロナの影響を受けておらず、21年2月期の3月~8月上半期は、全店売上高が前年同期比112・7%、既存店売上高も同106・3%と好調。

 新規出店や既存店の移転・居抜き出店に積極的で、10月7日に路面店の「音更木野店」(河東郡音更町)を閉店、8日に「ホーマック音更店」として「DCMホーマック音更店」内に移転したほか、9月22日に閉店した「サツドラ旭川東光8条店」(旭川市)跡には、11月7日(土)に「旭川東光店」を出店する。こちらの店舗は道北の西松屋としては最大面積になるという。
 
 昨年まで、「空き店舗ハンター」として北海道で目立っていたのは、「ツルハドラッグ」や「サツドラ」だった。コロナによってインバウンドが蒸発、今度は国内需要をメインとする「セカンドストリート」と「西松屋」が目立つようになった。刻々と変わる流通小売り業界の潮流、その波頭が見える。


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