帯広のダイイチ、コロナ禍で働く全社員に「特別期末手当」一律10万円

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 ダイイチ(本社・帯広市)は、コロナ禍で食品スーパー事業が堅調な中、店内作業や接客で多忙の上に感染リスクのある中で働く社員やパート従業員に報いるため、「特別期末手当」を15日に支給する。社員は一律10万円でパート従業員は勤務時間に応じて3~5万円の範囲で支給、総額は約1億円になる。(写真は、帯広市内のダイイチ本社)

 ダイイチは、9月末が決算期。2020年9月期は、全店ベースの売上高が、期初の19年10月から前年を超え、20年2月頃からはコロナの影響による内食需要の高まりから、2ケタに近い伸びを示すなど好調に推移した。通期の売上高伸び率は、19年9月期と比べ、既存店は105・3%、全店は106・6%と大きく伸びた。

 このため、同社は9月14日、20年9月期の1株当たり期末配当金を14円の予定から16円に上方修正、19年9月の実績である13円から3円の増配を決定した。こうした株主への還元を決めた上で、社員やパート従業員への特別期末手当支給を決定した。
 正社員と準社員、嘱託社員約430人に一律10万円、パート従業員約1150人には勤務時間に応じて3万円から5万円を支給する。同社は、今年4月にはアルバイトを含む全従業員に最大1万円の「特別感謝金」を支給した。今回の「特別期末手当」はそれに続くもので、鈴木達雄社長が「従業員の労に報いたい」と2ヵ月前の取締役会に提案、9月末に支給を決定した。
 
 道内の食品スーパーの中では、ダイイチ以外にもコロナ禍で働く従業員に「特別感謝金」を払った企業もあり、多くの道内スーパーが決算期を迎える21年2月期の頃には、「特別期末手当」を支給する企業も出てきそうだ。

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