コロナで始まった2020年は残すところ3ヵ月あまり。収束は依然として見えないが感染防止対策を徹底した中で、ウィズコロナ時代の経済活動を進める道も輪郭が見えてきた。そこで、これから3ヵ月の間にオープンする「スーパー」、「ドラッグストア」、「コンビニエンスストア」をまとめてみた。3業種合わせて10店舗、流通業界はコロナ下でも強気の出店を続けている。(写真は、11月中旬にオープンする「スーパーアークス東苗穂店」が入る建物)
最初に食品スーパーを見てみよう。直近の9月30日(水)には「業務スーパー」が帯広市内に初出店する。「業務スーパー帯広西店」(西5条南18丁目7ー7)がそれで、「ツルハドラッグ」跡への居抜き出店。茨城県で神戸物産(本社・兵庫県加古郡稲美町)のフランチャイジーとして「業務スーパー」を展開しているカワサキ(同・茨城県水戸市)が北海道初進出。
「業務スーパー」と言えば、加工食品の低価格販売で知られ、オリジナル商品の品揃えも豊富。「帯広西店」は、比較的小さな面積の店舗で、他の食品スーパーへの影響は限定的とみられるが、これから多店舗展開となれば既存スーパーへの影響が出てきそう。5月に進出してきた「トライアル」店舗とともに、これまでの競争環境が変わる可能性がある。
10月8日(木)の大安の日にオープンするのは、豊月(本部・苫小牧市)の「フードDエクスプレス見山店」(苫小牧市見山町2丁目3ー4)。旧店舗を建て替え増床したもので、売り場面積は1・5倍になる。苫小牧市内では、「マックスバリュ」と「コープさっぽろ」の店舗数が多いが、豊月は苫小牧で半世紀近く食品スーパー4店舗を展開してきた歴史があり、看板は市民に浸透している。
豊月は商品の共同仕入れ会社、北海道シジシー(本社・札幌市豊平区)に加盟しており、PB(プライベートブランド)の全国ブランドである『CGC』商品を数年前から扱うようになったため利益率は改善。小回りの良さを生かした機動的な販売戦略も同社の強み。豊月のように資本的に独立しているローカルスーパーは北海道では数えるほどしかない。「フードDエクスプレス見山店」は、独立系スーパーの今後を占う試金石となりそう。
11月上旬には、ダイゼン(本社・上川郡鷹栖町)の「DZマート上富良野店」(空知郡上富良野町本町3丁目4ー3)がオープンする。19年11月15日で閉店した「ツルハドラッグ上富良野店」跡への居抜き出店。ダイゼンは、今年9月11日に「DZマート美瑛店」(上川郡美瑛町北町2丁目6ー13)をオープンさせたばかり。同社は、富良野市にも店舗を構えており、本拠地の旭川から富良野を経由する国道237号線沿いに店舗網を構築することで物流の効率化を進め、低価格販売が可能になるようにする。
11月中旬には、「スーパーアークス東苗穂店」(札幌市東区東苗穂8条1丁目18ー1)がオープンする。今年9月18日で閉店した「ホクレンFoodFarm東苗穂店」跡への居抜き出店。アークス(本社・札幌市中央区)グループのラルズ(同・同)がオーナーから建物を賃借して運営する。東苗穂地域は「トライアル」や「ザ・ビッグ」など低価格スーパーが展開しており、「食品スーパーの経営が難しい地域」(地場食品スーパー役員)。コロナ下で、毎月の売上高が前年比二ケタ成長を続けているラルズの底力が試される新規店舗となりそう。ラルズによると店舗は「スーパーアークス」の標準的なフォーマットになるという。
大型ホームセンター「ジョイフルエーケー大曲店」(北広島市大曲工業団地7丁目3ー4)に入っていた「ジャパンミート大曲店」が9月27日に閉店したことに伴う後継店舗には、「スーパーエース」が浮上している。ホームセンターと食品スーパーのコラボは継続しそうだ。こちらのオープンは12月頃になりそう。