インバウンド需要の消失で、札幌の狸小路商店街からドラッグストアの撤退が始まりだした。8月に入って「ダイコクドラッグ狸小路4丁目店」(中央区南3西4)、「サツドラ狸小路4丁目店」(同)が相次ぎ閉店、他のドラッグストアチェーンも臨時休業を続けている店舗がある。ここ数年でドラッグストアが一気に増えた同商店街だったが、コロナによるインバウンド消失で時計の針が逆回転している。(写真は、8月8日に閉店した「サツドラ狸小路4丁目店」)

 狸小路商店街は、時代を反映して店舗の入れ替えが激しい商店街として知られる。暖簾を守る老舗もあるが、その時々のニーズに対応して新陳代謝を続ける店舗も多く、そのことが140年を超えて札幌中心部の賑わいを支え続けた要因でもある。

 この商店街にドラッグストアが増え始めたのは、2015年から。それまでにも「マツモトキヨシ」や「コクミン」、「サンドラッグ」などが出店していたが、15年6月以降、地元資本の「サツドラ」が一気に店舗を増やした。その一つに今回閉店した「サツドラ狸小路4丁目店」がある。同店は、110年続いた「中川ライター店」跡に賃借出店したもので、時代のニーズに対応した店舗の入れ替わりとして捉えられた。
 その後も続くインバウンドの増加は、店舗の新陳代謝を促し、洋装店やパチンコ店などが閉店してはドラッグストアに切り替わっていった。

 しかし、今年に入って新型コロナウイルスの感染拡大によりインバウンド需要が消失すると、同商店街の様相は一変。2月末の「ラオックス」に続き、「ドン・キホーテ」も2店舗あるうちの1店舗を4月に閉店するなど、同商店街にも撤退ムードが漂い始めた。

 ドラッグストア各店舗は、インバウンド対応から足元の消費者に向けた品揃えに変更するなどして営業を続けてきたが、8月に入り「ダイコクドラッグ狸小路4丁目店」、「サツドラ狸小路4丁目店」が閉店、「サンドラッグ狸小路2丁目店」も臨時休業を続けている。
 狸小路商店街には、「ツルハドラッグ」を除くドラッグストアチェーン店舗を多く構えており、「ドラッグストアのショーウインドー」とも言われるほど。ドラッグストアの撤退は、時代の変化を象徴的に表している。


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