スーパー業界にとって、ライバル企業の出店・退店情報は極めて大切。まして近隣にあるスーパーの出店・退店は、自店の売り上げに大きく影響するだけに各社とも敏感。そんな中、この夏から秋にかけて退店が噂されているのが、この2店舗。(写真は、退店が噂される企業のイメージ画像)

 一つは、札幌市東区で展開しているスーパー。このスーパーを運営している企業は、ここ数年閉店店舗が増えており、業界ではその動向に注目が集まっている。この店舗は一見すると、まだまだお客も入っており閉店要素は見当たらないが、店内に活気が乏しく買い物をする楽しさがなかなか感じられない。全体的に照明も暗いイメージで、閉店に向かう際の独特な閉塞感のようなものが漂っているようだ。

 既に5月頃から退店の噂が広がっており、しかも次のテナントも決まっているという。次のテナントは、過去にも退店する企業が運営するスーパー跡に出店している。   

 もう一つが、北広島市内のスーパー。こちらは、大型ホームセンター内にテナント出店している道外資本のスーパーで、ホームセンターとスーパーのコラボレーションとして当初は注目されていた。そのホームセンターができる際には、帯広本拠のスーパーの名前も浮上したことがある。

 開店から15年以上経過しており、売り上げも安定しているとみられていたが撤退が決まったようだ。こちらも6月早々から退店の噂が出るようになったが、後継テナントは未定の様子。

 コロナ下で各社とも新規投資には慎重。しかし、低コストで出店できる居抜き物件をしたたかに物色する企業もある。退店は後ろ向きに捉えられがちだが、新たな一歩を引き寄せる機会という見方もできる。



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