マックスバリュ北海道は10日、「手宮店」(小樽市)をリニューアルオープンした。約1億円を投じて冷ケースや什器類、照明などを更新したもので、シニア向けのニーズに対応するため品揃えや量目の幅を広げたり、値札の文字を大きくするなど買い物がしやすくなるような工夫も施している。同社ではシニアシフトのモデル店舗として今後地方の基幹店舗のリニューアルを順次実施していく。(写真上段は、マックスバリュ手宮店の外観=上段左と1食使いきりの専用コーナー、下段は高齢世代にも見やすくした値札表示=左と作業性を高めた什器に入っているカップ麺コーナー)
手宮店は、札幌フードセンターと北海道ジャスコが合併する以前に北海道ジャスコが道内1号店として出店した店舗。1995年8月の開業で、その後2005年に出入り口を2ヵ所にするなどリニューアルを行ったが、今回は「ほぼ17年ぶりの大改装」(山尾啓一社長)
リニューアルのポイントは、冷ケース等の入れ替えや商品の補充が簡単な作業性に優れた什器の導入、一部照明のLED化とともに高齢化が進む小樽市内の買い物客に対応してシニアシフトをより強めたこと。
価格の表示が見えやすいように値札の文字をこれまでの倍の大きさにしたほか、高齢世代に対応して1食分の使いきり食材の専用コーナーを大きく取ったことなどが挙げられる。
「専用コーナーには、イオンの使い切り食材PB(プライベートブランド)『レディ・ミール』を揃えました。これだけのスペースを使ったのは初めてで、この分野での成長性を感じています」(広報の長澤孝夫氏)
また、美味しいものを少しだけ欲しいという買い物客が増えているため、量目の幅を広げた食材も豊富に揃えた。
店舗面積は、一部テナントが使用していた180㎡を直営売場としたため2492㎡に増えている。直営のインストアベーカリーの売場も広げた。
手宮店は北雄ラッキーの衣料館とドラッグストアのツルハが集積する近隣型ショッピングセンター(NFSC)を構成しており、市内で唯一の24時間営業ということもあって年間24~25億円の売上げがある地域一番店。
「消費者のニーズは、価格面から産地表示などを品質面や量目の豊富さなどへ徐々に変わってきている。リニューアルを機会にこうした今の時代にあった売り場に変えていくことで、さらに売上げ増が見込める」(山尾社長)
同社では昨年以降続けてきた収益店舗のリニューアルが売上増に結びついていることから、今期は道北や札幌市内の基幹店で積極的なリニューアルを順次実施していく考え。