(写真は、布施和博社長)
「流通しんぽうによると、18年度の道内スーパー、コンビニ、ドラッグの市場規模は2兆2000億円。当社でさらに調査して部門構成規模を算出した。食品部門は約1兆7000億円、ドラッグストアは全体で約2600億円だがヘルス&ビューティーの売り上げが1100億円、食品部門は880億円になっており構造変化は顕著だ」
「高齢者人口が急速に増えていくことから、地元密着型店舗の増加がますます予測される。リアル店舗では顧客情報の分析を行いながらワン・トゥ・ワンマーケット(個別ユーザーごとにカスタマイズしたサービスを提供すること)でニーズを捉えた精度の高い提案で購買意欲を促進していくことが、来店頻度向上につながっていくのではないか」
「高齢化、過疎化に対応していくにはネットや宅配サービスを充実させてリアル店舗、ECサイトのサービスを融合したオムニチャネルの取り組みが重要になってくる」
「北海道の2兆2000億円の市場規模を拡大していくには、トレンドの把握が不可欠。過去5年間のカテゴリー別トレンドはどうなっているか。14年度を軸に当社の得意な冷凍食品分野で細かい分析をした。10年度までは弁当用の冷食がナンバーワンカテゴリーだったが、14、15年を境に惣菜・調理、米飯の支持が高くなっている。単身世帯の増加、少子高齢化、育児をしながら働く女性が多くなっていることを背景に個食、簡便商品が支持されてきていることがある」
「冷食の惣菜・調理、米飯カテゴリーは、消費者の購買行動を想定した販売活動を行ってきたことから伸長した。各業界は顧客を分析してライフスタイルに合う精度の高い商品情報を、ダイレクトに顧客に発信するダイレクトマーケティングの時代に入ってきている。環境変化を受け、各メーカーや小売りがニーズにあった商品開発や販売政策に取り組むことがより大切になっている」(終わり)