イオン北海道、マックスバリュ北海道の19年3~8月、需要創出の店舗活性化が成功

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 イオン北海道(本社・札幌市白石区)とマックスバリュ北海道(同・同市中央区)の2019年第2四半期(3~8月)決算が9日開示された。イオン北海道は売上高916億3000万円(前年同期間比0・0%)、営業利益31億9600万円(同2・7%増)、マックスバリュ北海道は売上高661億5900万円(同2・2%増)、営業利益5億5900万円(同171・5%増)だった。(写真は、7月26日にスクラップ&ビルドで開店した函館市の「マックスバリュ深堀店」)

 イオン北海道は、地方店舗強化として「イオン湯川店」(函館市)の開店後初めてとなる大型活性化に取り組んだ。同店の直営ゾーンで専門店化を進めたリカーや花売り場、地場商品を揃えた食品ゾーンの展開が功を奏し、活性化後の売上高は25%増加。テナントでは函館初進出の3ブランド飲食店を誘致してテナントゾーンを拡大、テナント数を2倍にした。その結果、テナントゾーン客数は3倍になり、直営とテナントを連動した活性化に成功。
 また、全店ベースでインターネット販売を強化するためeショップに注力。昨年から始めた店舗受け取りサービスは、サイクルやランドセルなどネット取扱商品を拡大、リアル店舗での会員優待セールをネット注文でも受け付けた結果、eショップの売上高は前年同期間に比べ倍増した。

 直営の専門店化を進めている売り場では、インターネットサイトとの連動販売も強化、サイクル売り場は同4・2%増、オリジナル商品拡大や新規ブランドを導入したトラベル売り場は同8・1%増になった。
 小型食品スーパー「まいばすけっと」事業では、8月23日にこれまでよりひと回り小さい売り場面積135㎡の「北3条西24丁目店」(札幌市中央区)をオープン。最少品目で展開できるフォーマットとして今後の出店拡大を狙う。同事業は既存店が好調に推移、売上高は同4・3%増になった。

 マックスバリュ北海道は、15年9月にダイエーから承継した店舗のスクラップ&ビルドで7月26日に「マックスバリュ深堀店」(函館市)を開店。大型改装は6月に「マックスバリュ静内店」(日高郡新ひだか町)と「ザ・ビッグエクスプレス モエレ店」(札幌市東区)の2店舗で実施した。「ザ・ビッグエクスプレス モエレ店」は、入店からレジ精算までワンウェイで買い物ができる配置にし、小型ディスカウント店舗のモデルづくりに取り組んだ。小規模改装は5店舗で実施した。

 販売面では、顧客の節約・低価格志向に対応し、購買頻度の高い商品の価格訴求を行った。低価格販売の企画「安い値!」では野菜販売を重点実施。鮮度向上を目指して前期から取り組んでいる、生産者から直接自社センターに納品し店舗までのリードタイム短縮の取り組みは、北海道産キャベツ、ブロッコリー、ダイコンで実施。茨城県や夕張郡長沼町から仕入れた「とうもろこし」は顧客の支持を得た。

 均一価格の焼きたてパンを製造設備のない店舗に配送する取り組みも札幌市内3店舗で実施、好調に推移している。同社は例年、前半に設備投資など販管費がかさみ利益を押し下げていたが、今期は新店や活性化投資などの経費予算をコントロールでき前半も営業益を大きく伸ばせた。

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