令和元年5月、食品スーパーの改元・10連休効果少なく

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 令和元年のスタート月となった5月。札幌に本社を置く株式上場食品スーパー3社(アークス、マックスバリュ北海道、北雄ラッキー)の売り上げは、祝賀ムードの影響をそれほど受けず堅調な動きだった。10月消費増税前の駆け込みの動きもまだ出ていない。(写真は、ラルズの「スーパーアークス山鼻店」)

 5月は、改元と10連休で旅行や外食需要は高まったが、日常の食を提供する食品スーパーの売り上げはほぼ例月通りだった。
 北海道と北東北に店舗があるアークスは、全店ベースが前年同月比100・9%、既存店ベースが同100・3%だった。4月は全店、既存店ともに前年に届かなかったが、5月はわずかに前年を上回った。
 客数は、全店が同99・9%、既存店が同99・7%で4月と同じく前年に届かなかった。客単価は、全店が同100・8%、既存店が同100・6%になった。

 マックスバリュ北海道は、全店ベースが前年同月比102・3%、既存店ベースが同101・0%。10連休の後半6日間は札幌市内店舗の盛り上がりは見られなかったが、地方の店舗は帰省の影響を受けて好調だった。5月後半は10連休後の節約傾向が響いたが、「猛暑が消費を押し上げ例月の消費トレンドに落ち着いた」(広報)。同社は客数、客単価は開示していないが、客数に関して全体では前年に届いていないもよう。ただし、低価格業態の「ザ・ビッグ」は前年超えを続けているようだ。

 北雄ラッキーは、新規店舗や閉店がこの1年間なかったため、全店と既存店は同じ数字になっているが、5月は前年同月比99・9%でわずかに前年に届かなかった。客数は同98・3%、客単価は同101・7%になった。「食品部門は前年を超えたが、衣料部門は前年を超えられなかった」(広報)。10連休後半6日間の売り上げは良かったが、5日のこどもの日は前年を割った。

 5月の時点では10月消費増税の駆け込み需要は起きていない。食品は軽減税率で8%が維持されるが、日用雑貨、衣料などは10%になるため6月、7月のボーナス支給後から徐々に増税前の駆け込み需要が起きると見られている。

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