北海道胆振東部地震からおよそ1ヵ月、復興、復旧に向けた活動が始まっているが、札幌市内にあるアークス本社前には『がんばる北海道』のスローガンが震災以来掲げられている。横山清社長が自ら毛筆で書いた文字で、震災を道民一丸で乗り越えようという思いが込められている。(写真は、アークス本社前に掲げられている『がんばる北海道』のスローガン)
(写真は、ラルズ商談室前に設置された『北海道地震対策本部』の木彫り看板)

 横山社長は、30年以上前から当時の秘書の教えを受けながら毛筆で社内スローガンを認めてきた。アークス本社や子会社ラルズ本社には、横山社長が毛筆で書いた言葉が多く掲額されている。新年の社内スローガンも横山社長が毎年書き、ポケットサイズにしたものが社員全員に配られている。

 今回の地震に際して、横山社長が選んだ言葉は、『がんばる北海道』。復興を後押しする言葉として『がんばろう』が多く使われている中で、横山社長は『がんばる』が相応しいと考えた。このスローガンは、アークスやラルズなどアークスグループ各社の玄関や各社が展開するスーパーの店頭にも掲げられ、新聞折り込みチラシにも印刷されている。

 また、ラルズの商談室の前には木彫りの『北海道地震対策本部』の看板が設置されている。2mを超える木に横山社長が文字を書き、それを専門の業者が彫って文字とロゴマークに色を付けたものだ。「たまたま社内にあった木を使ったのですが、震災対応を迅速に進めていくことと風化させずに社員全員が災害の事実を背負い、それを乗り越えていくメッセージを込めたものです」(広報)。対策本部長は横山社長が務めている。
 
 地震と全道停電で北海道の流通業界は、大混乱をきたした。現在は、ほぼ正常に戻っているが、食のインフラを構築する食品スーパー業界に突き付けられた課題は多い。スローガンは、課題に向き合う覚悟を示していると言えそうだ。


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