栃木県の年商300億円規模の食品スーパー、オータニ(本社・宇都宮市)と経営統合で合意したアークス(同・札幌市中央区)の横山清社長は、17日午後5時半から約1時間、札幌市内の札幌パークホテルで記者会見した。横山社長は、「今後の経営について多くの地方スーパーは不安を抱えている。そうした仲間と手を組むことで一緒に進んでいく力を蓄えられる」と述べ、アークスのように子会社の適切な自主性を認める「八ヶ岳連峰経営」が最適だ、とあらためて強調した。(写真は、オータニとの経営統合について会見するアークス・横山清社長)

 横山社長は、オータニとの経営統合のきっかけについて、「ある機会にオータニの会長と話す機会があり、昨年初めから経営統合について話し合ってきた。急ぐことはないと互いに機が熟するのを待っていたが、1年半余りたって信頼関係が醸成できたので統合を決めた」と話し、「オータニの会長は私(85歳)より2歳下だが、スーパー全盛の時代から今日までの経過を互いによく理解し合っている。共通の成功体験があるが、今後については共通の課題も抱えている。この先をどうするか、次の手を打つ方法は何かを熟慮した結果、アークスに入ることが最善の方法ということになった」と話した。

 アークスが進める「八ヶ岳連峰経営」は、純粋持ち株会社アークスの下に地方の食品スーパーが完全子会社として経営するもので、中央集権的な経営ではなく地方分権的な手法。アークスが商品調達や情報システム、商品開発などインフラ部分を背負い、子会社には適切な範囲で権限を委譲、地域密着のスーパーとして展開することが可能となる。
 北海道からスタートして、北東北に進み、今回初めて北関東のスーパーと手を組むことになった。

 横山社長は「コロナ禍でスーパーには多くのお客さまが買い物に来ているが、業界全体を考えると、良いサービス、良い商品の販売だけでは生き残っていけなくなっている。とりわけ地方の100億円から500億円規模のスーパーは成長マーケットが限られている。アークスのような方法が最適ではないかという考えが熟成されてきている」と述べた。

「それぞれの地域で年商300億円規模のスーパーが経営統合すれば、10社で年商3000億円になり地域シェアで25~30%は取れる。そうすれば超大手の流通企業と十分に戦える。一緒にやっていく力を蓄えるのがアークスのような経営だ」と強調した。

 アークスは、これまで共同仕入れ会社CGCの加盟企業を統合してきたが、オータニはCGCに加盟しておらず、AJS(オール日本スーパーマーケット協会)に加盟、AJSのPB(プライベートブランド)「くらし良好」なども販売している。この点について、横山社長は「オータニはAJSの幹部。CGCグループであることは(アークス入りの)条件ではない。今後、CGCのPB商品の取り扱いなどは全体最適の中で追求していきたい」と話した。



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