丸井今井南館が8月26日で閉館、2002年から16年間営業

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 札幌丸井三越(本社・札幌市中央区)は、丸井今井南館(札幌市中央区南1条西1丁目)の営業を8月26日で終了する。2002年から一条館の向かいにある建物を賃借、南館として出店したが、賃借期限が切れることや一条館や大通館との相乗効果も今後見込めないため撤退を決めた。20171107_142236 (2)(写真は、丸井今井南館)

 南館は、元参議の高桑栄松氏がトップを務めたことがある高桑ビル(札幌市)の所有。札幌オリンピックが開催された1972年1月に長崎屋札幌店として竣工した建物で、その後長崎屋ビッグオフ札幌店として営業を続けたが、長崎屋が会社更生法を申請したため2002年に撤退した。
 当時、三越伊勢丹グループに入る前だった旧丸井今井は経営危機に陥っていたが、柴田哲治社長は拡大路線で危機突破を図ろうと02年11月にビッグオフ店舗跡に出店、南館として営業を始めた。その後、旧丸井今井は3度目の再建によって札幌丸井三越になり、同社が営業する丸井今井南館として営業を続行してきた。

 南館は、地下2階、地上8階建てで、売り場面積約2400坪(約7900㎡)。北海道日本ハムファイターズや北海道コンサドーレ札幌のオフィシャルショップを出店している5階や6階の家具売り場、7階の家具・学生服売り場、8階(空きフロア)を自社展開し、地下2階から4階はMARUZEN&ジュンク堂書店に転貸していた。
 撤退によって5~7階の売り場は一条館9階に集約、MARUZEN&ジュンク堂書店は高桑ビルと新たに賃借契約を結んで引き続き営業を続ける。
 
 南館の東側には、4月中旬にシティホテル「東急ステイ札幌」がオープンするなど南館のある一番街商店街は、商業中心から観光要素も加わった都市空間に変化しつつある。南館横にある遊休地はニッセンレンエスコート(札幌市中央区)が所有、現在は時間貸し駐車場として利用されている。今後は南館を含めた周辺の再開発も視野に入ってきそうだ。

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